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愛、アイ、愛。?

[1876] どんなぱんだなんだ 2013-02-12投稿
「一ノ宮」


それはとある昼休みのこと。

女の子達と戯れている時だった。


「ど、どないした?
なんか用か?」


名前を呼ばれ、誰かと思い振り返れば

クラスで有名な…
いや、学年で…
いやいや校内で有名な不良男子。


坂木洋尓郎(さかきようじろう)だ。

オールバックで顔には
いつもマスクを着用し、
切れ長な瞳はとてつもない威圧感がある。
それから190近い長身。

他校の不良集団100人を一人で秒殺したとか
どっかのヤクザを病院送りにしたとか
嘘くさい噂が流れているのだが…


そんな彼が、俺になんの用なんやろか?



「ちょっとツラかせ」

ドラマや漫画でしか
聞いたことのない台詞やな(汗)。


てゆーか思い切り
ガン飛ばしてくんねやど
この人…。

そして俺は
迫力ありすぎるその眼に
思い切りビビっとるんやけど…。



「は、はい…」

逆らうとボコられそうなので、
とりあえず返事をして
言われるがままについて行った。


女の子達はもうとっくに逃げていて。
坂木くんの迫力はスゴいなぁと改めて思うのだった。



++++++++++++++++++++++



黙ってついて行けば、
たどり着いたのは体育館裏だった。


…俺は一体何されるんやろか。

何か怒らせる事でもしたんやろか?


…いや、してへん。
絶対してへん…!
ちゅーかそれほど
接点もあらへんし!! (同クラやけど)



…とすると…


まさかカツアゲ?!


アホらしい妄想だが、
充分あり得る絵ヅラだ。

どうしたら…!?


「一ノ宮」

「はひィイ!?」

悶々と悩んでいると、再び名前を呼ばれた。
肩がビクリと大袈裟に上がる。

…声裏返ってしもうたんやけど…。


羞恥心より、恐怖心のほうが勝る。
その証拠に、顔は熱くなるどころか冷めていき、
足は震えてガックガク。



ガシッ!!

「ギャアア!?」

いきなり両肩を掴まれ、
心臓がこれまでにないほど跳ね上がる。

「一ノ宮…、俺…」

坂木くんは小さく口を開き、
重く低い声で喋り出した。

そして、
耳に入ってきたのは
予想もしない、たった一言。


「俺…
お前が好きだ!!」



・・・・・・・・・・・・・・。


ワッツ?


「……」

「……」

好・・・き・・・!?


坂木くんが、俺を?


そんな…バナーナ!!


「あ、あの……」

えーと…。

男から告白されたなんて初めてなわけで…。


な、なんやコレ…
どないしたらエエの?

「…」


なんか告った本人
ガン見してくるしぃ…

好きな子にする顔ちゃうやんけ…。


むしろ殺意まで感じちゃったりするんやけど。


そんなことを考えていたらいきなりデカイ声で問いかけられた。


「返事は!!」

「はひィ!!?」

「好きだっつってんだよ!! オメーの答えは!!
YESか!?NOか!?」

「え、…あ、う…」

「答えろォ!!」

「イ…イエスぅう!!」

って…
え"〜〜〜〜〜〜〜!!?


何を言っとんねや俺はぁああ!?

「イ…イエス…?」

俺の答えに対し
意外そうな顔をする坂木くん。


って!ちゃうわ!!

意外も何もYESっちゃうて!!

NOや!!
決まっとるやろぉがぁ!!


どんなに脳内で叫んでも
、それを口に出すなんて
とうてい無理。


迫力に負けて、思わず
逆の答えを滑らせて
しまったことを悔やむしかできず、
しばらくその場を動けなかった。

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