モノクロの世界で14
翡翠が黙ってしまった。
まぁ無理もない。
突然同性に"身を捧げろ"なんて言われて、誰が承諾するだろう。
自分なら即拒否る。
だけど、
欲しかった。翡翠が。
翡翠を、自分のモノにしたくなった。
何故かは分からない。
自分でも、同じ男相手にこんな感情抱くなんて、変だと思う。
だけどどうしようもない欲望に駆られて抑えることが出来ない。
俺は、目的の為にわざわざ手段を選ぶ奴じゃないから。
欲しいモノは力ずくでも手に入れる。そういう質だ。
俺は、まだ決断できない翡翠に意地悪を言う。
「…そんな迷うことねぇだろ?
お前、あの時俺の手で感じてたし。
あーいう風にされんの実は嫌じゃなかったりするんじゃねーの?」
「!…ちが…っ」
「俺の希望に応えてくれんなら、毎日でもしてやるぜ?キモチイこと♪」
「違うって言ってるだろ!黙れ!」
…こういう、必死んなって怒鳴ってる姿もいい。
怒られて愛しく思えるなんて、重症。
でも恥ずかしそうに真っ赤になる翡翠は可愛くて、苛め甲斐がある。
ドSな俺にとって嬉しい反応だ。
「・・ま、どっちに転がっても、お前に得はないんだ。早く決めろよ。
俺のモンになるの?ならねぇの?」
「・・・・」
「あと10秒以内に答えなきゃ写メバラす」
短気な俺はそんなに待てない。
ここまで追い詰めなきゃ、翡翠は動かないと思った。
「・・・・・えっ…」
「じゅー、きゅー、はーち、なーな…」
短い制限時間を与えられ、目を丸くする翡翠なんかお構い無しに俺は棒読みでカウントを始めた。
「ちょ…ッ?…待って…」
翡翠は焦る。
"マジ?"みたいな顔をして。
普段のクールな態度はどこへやら。
だけどこのギャップがツボなんだ。
いつも無感情で無表情の彼が、こうやって焦ったり怒ったり恥ずかしがったりする姿は何だか新鮮。
だから面白い。
「ろーく、ごー、よーん…」
「お、おい…っ」
「さーん、に〜ぃ」
「ま…!」
「いー…」
「な、なるよ!なるからヤメロ!」
翡翠の声が、最後の数字を遮った。
少しの沈黙。
そして俺は笑みを溢した。
「…今の言葉、忘れんなよ?」
「・・・っ、…」
あえて優しく囁く。
その声が逆に相手に恐怖を感じさせるのを自分でも知っていたから。
「…返事は?」
「―――・・・・は、い…」
ぎこちない返答。
戸惑う翡翠の少し歪んだ表情が堪らない。
俺は我慢できなくなって、彼にゆっくり近付いた。
それに比例して後退りする翡翠。
壁まで追い詰めて、…キスをした。
「…っ」
「ん…」
舌を入れる。
翡翠はビクッと体を震わせ、両手で俺のシャツの袖を握る。
「んん…っン…」
だんだん激しくなる口付け。
袖を握っていた手で翡翠は俺の肩を押すけど、力が入ってなくて無意味。
「は…っふぁ、んッんぅ、…ンんんーっ…」
限界だと言いたいのか、必死に口を動かす翡翠。
俺はようやくキスをやめた。
「ん、はあ…っっ
はぁ…っはぁ…」
「…ふ。エロイ顔〜」
「…ッうるさい…」
チュッ
「…っ」
頬に軽くキスを落とした。
「続きはまた明日にしてあげる♪
…教室戻ろっ」
翡翠は小さく頷き、俺に従う。
――この時、俺は可愛いオモチャが手に入ったぐらいにしか考えていなかった。
まぁ無理もない。
突然同性に"身を捧げろ"なんて言われて、誰が承諾するだろう。
自分なら即拒否る。
だけど、
欲しかった。翡翠が。
翡翠を、自分のモノにしたくなった。
何故かは分からない。
自分でも、同じ男相手にこんな感情抱くなんて、変だと思う。
だけどどうしようもない欲望に駆られて抑えることが出来ない。
俺は、目的の為にわざわざ手段を選ぶ奴じゃないから。
欲しいモノは力ずくでも手に入れる。そういう質だ。
俺は、まだ決断できない翡翠に意地悪を言う。
「…そんな迷うことねぇだろ?
お前、あの時俺の手で感じてたし。
あーいう風にされんの実は嫌じゃなかったりするんじゃねーの?」
「!…ちが…っ」
「俺の希望に応えてくれんなら、毎日でもしてやるぜ?キモチイこと♪」
「違うって言ってるだろ!黙れ!」
…こういう、必死んなって怒鳴ってる姿もいい。
怒られて愛しく思えるなんて、重症。
でも恥ずかしそうに真っ赤になる翡翠は可愛くて、苛め甲斐がある。
ドSな俺にとって嬉しい反応だ。
「・・ま、どっちに転がっても、お前に得はないんだ。早く決めろよ。
俺のモンになるの?ならねぇの?」
「・・・・」
「あと10秒以内に答えなきゃ写メバラす」
短気な俺はそんなに待てない。
ここまで追い詰めなきゃ、翡翠は動かないと思った。
「・・・・・えっ…」
「じゅー、きゅー、はーち、なーな…」
短い制限時間を与えられ、目を丸くする翡翠なんかお構い無しに俺は棒読みでカウントを始めた。
「ちょ…ッ?…待って…」
翡翠は焦る。
"マジ?"みたいな顔をして。
普段のクールな態度はどこへやら。
だけどこのギャップがツボなんだ。
いつも無感情で無表情の彼が、こうやって焦ったり怒ったり恥ずかしがったりする姿は何だか新鮮。
だから面白い。
「ろーく、ごー、よーん…」
「お、おい…っ」
「さーん、に〜ぃ」
「ま…!」
「いー…」
「な、なるよ!なるからヤメロ!」
翡翠の声が、最後の数字を遮った。
少しの沈黙。
そして俺は笑みを溢した。
「…今の言葉、忘れんなよ?」
「・・・っ、…」
あえて優しく囁く。
その声が逆に相手に恐怖を感じさせるのを自分でも知っていたから。
「…返事は?」
「―――・・・・は、い…」
ぎこちない返答。
戸惑う翡翠の少し歪んだ表情が堪らない。
俺は我慢できなくなって、彼にゆっくり近付いた。
それに比例して後退りする翡翠。
壁まで追い詰めて、…キスをした。
「…っ」
「ん…」
舌を入れる。
翡翠はビクッと体を震わせ、両手で俺のシャツの袖を握る。
「んん…っン…」
だんだん激しくなる口付け。
袖を握っていた手で翡翠は俺の肩を押すけど、力が入ってなくて無意味。
「は…っふぁ、んッんぅ、…ンんんーっ…」
限界だと言いたいのか、必死に口を動かす翡翠。
俺はようやくキスをやめた。
「ん、はあ…っっ
はぁ…っはぁ…」
「…ふ。エロイ顔〜」
「…ッうるさい…」
チュッ
「…っ」
頬に軽くキスを落とした。
「続きはまた明日にしてあげる♪
…教室戻ろっ」
翡翠は小さく頷き、俺に従う。
――この時、俺は可愛いオモチャが手に入ったぐらいにしか考えていなかった。
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