処女喪失?
私(果歩)の友達…亜子が好きな人。
直哉君。
ただ見てるだけで満足らしい。
とても面白い人で、いつも皆を笑わせて楽しませるから、彼の周りは自然と人が集まる。
今日もグラウンドでワイワイやっている彼らの姿を、夕暮れの校舎から並んで見つめていた。
彼に興味のない私は
『明日は直哉君の誕生日なんだ〜♪』と、聞いた時も『ふぅーん』と気のない返事をしただけだった。
と、彼が手を振って何か言っている。
『え?あたしに何か言ってる?うわぁ〜♪何?なに〜?』亜子は両手で頬を押さえて興奮気味。
ところが。
『今日これから、俺の誕生日プレゼントもらいに行くから〜!』
…彼は私に向かって叫んでいた。
(は?なんで私?)
隣を見ると亜子は鬼の形相で睨み付けてきた。
『どういう事よ?』
『いや、どういう事も何も意味不明だし…』
『プレゼントあげる約束してたんだ?』
『しっ…知らないよ!亜子の好きな人に、私がプレゼントする訳ないじゃん!』
『…なんか…果歩…信用できない。もういい』
、クルッと背を向けて教室を出て行ってしまった。
(なんなの?一体!)
慌てて窓を閉めると鞄を掴み、急いで後を追いかけた。
が、もう亜子の姿は見えなくなっていた。
下校時間はとっくに過ぎている。
(明日話して誤解をとこう)
そう決めると早足で帰り、着替えもせずベッドに寝転ぶ。
(なんだかなぁ…)
モヤモヤした気持ちに落ち着かない。
冷たい物でも飲もうかと起き上がった時、玄関のチャイムが鳴った。
『はぁ〜い』
乱れた髪をポニーテールに結わえながら歩いた先に…
『えっ?直哉…君?』
玄関の鍵をかけてなかったと気付いたのと、直哉が靴を脱いで『お邪魔します』と上がろうとしたのが同時だった。
『まっ…待って待って!』『お前の部屋どっち?』
『突き当たりだけど…って違〜う!入っちゃダメ〜!』
グイグイ進む体格の良い直哉を小柄な果歩が止める事ができるはずもなく…
結局果歩は二人分のジュースをトレイに乗せて部屋に戻った。
つづく
直哉君。
ただ見てるだけで満足らしい。
とても面白い人で、いつも皆を笑わせて楽しませるから、彼の周りは自然と人が集まる。
今日もグラウンドでワイワイやっている彼らの姿を、夕暮れの校舎から並んで見つめていた。
彼に興味のない私は
『明日は直哉君の誕生日なんだ〜♪』と、聞いた時も『ふぅーん』と気のない返事をしただけだった。
と、彼が手を振って何か言っている。
『え?あたしに何か言ってる?うわぁ〜♪何?なに〜?』亜子は両手で頬を押さえて興奮気味。
ところが。
『今日これから、俺の誕生日プレゼントもらいに行くから〜!』
…彼は私に向かって叫んでいた。
(は?なんで私?)
隣を見ると亜子は鬼の形相で睨み付けてきた。
『どういう事よ?』
『いや、どういう事も何も意味不明だし…』
『プレゼントあげる約束してたんだ?』
『しっ…知らないよ!亜子の好きな人に、私がプレゼントする訳ないじゃん!』
『…なんか…果歩…信用できない。もういい』
、クルッと背を向けて教室を出て行ってしまった。
(なんなの?一体!)
慌てて窓を閉めると鞄を掴み、急いで後を追いかけた。
が、もう亜子の姿は見えなくなっていた。
下校時間はとっくに過ぎている。
(明日話して誤解をとこう)
そう決めると早足で帰り、着替えもせずベッドに寝転ぶ。
(なんだかなぁ…)
モヤモヤした気持ちに落ち着かない。
冷たい物でも飲もうかと起き上がった時、玄関のチャイムが鳴った。
『はぁ〜い』
乱れた髪をポニーテールに結わえながら歩いた先に…
『えっ?直哉…君?』
玄関の鍵をかけてなかったと気付いたのと、直哉が靴を脱いで『お邪魔します』と上がろうとしたのが同時だった。
『まっ…待って待って!』『お前の部屋どっち?』
『突き当たりだけど…って違〜う!入っちゃダメ〜!』
グイグイ進む体格の良い直哉を小柄な果歩が止める事ができるはずもなく…
結局果歩は二人分のジュースをトレイに乗せて部屋に戻った。
つづく
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