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転校生 2話

[1695] 小ガニ 2014-10-29投稿
彼女の名はケイコといった。

華やかな顔をしたいかにも人好きするような雰囲気をもっていて、僕にしても、一瞬たじろがないわけにはいかなかった。

「…何?」
声は震えていたかもしれない。
ケイコは思いがけず声をひそめた。
「あの、これから二人きりになれる場所にいかない?」

およそ女子の方から発せられる言葉ではないな、と内心苦々しく思っていると、
「いい場所があるんだ」
と、少し明るさを取り戻したトーンで、ケイコは顔をこちらへ向け、言う。
「…あたしんち。エヘヘ」

呆気にとられていると、小雨が降り出したことに気づく。

僕は持っていた傘を彼女に手渡し、近所だという自宅まで、一人で帰らせた。
「阿呆か」と。

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