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美雪とセシリア 28

[1137] 御法屋 金帯 2015-05-12投稿
 それが彼女なりの矜持であったが一方の三枝は少し違っていて、確かに彼女もまた、伸子と同じ様な意志は抱いていたモノのそれからもう少し積極的に踏み込んだ思いを有していたのであるが、それは彼女の体質が多分に影響していたのである。

 と言うのは感受性の強い三枝の一家は確かに作家として必要最低限の能力を持ってはいたモノの、それは一方で、”一般人よりも色々なモノを貰い易い”と言う特性をも併せ持ってしまっていたのだ。

 そのため母の代から数名の、”その道の専門家”な人々とお付き合いが合ったが彼等から様々な事を教えて貰う機会に恵まれていた彼女は、普通の人間ならば解らない事を少しは知っていたし、また困った事があって、特にそれがどうにも手に負えないモノの場合は相談に乗って貰ったりしていたのである。

 ただしその内の大部分は勿論秘密であり、それは相方の伸子に対してすらそうであったがしかし、大事な部分をちゃんと共有出来ていたこの年上の同性の恋人は既に充分、幸せであり、喧嘩をする事もあったけれども、同じ道を歩んでいたのだ。

「だけど、二人とも仲良さそうで何よりデス」

「有り難う、先生とみゆっちのお陰だけどね。ってか先生達だってラブラブじゃん」

「あったり前じゃん!!」

 笑いながら声を掛ける伸子に美雪が楽しそうに応える。

「私たち、前世からラブラブだもんね?先生!!」

「What!?Oh、た、確かにそうだった気が・・・!!」

「せんせええぇぇぇっっ!!!」

「アッハハハッ!!!ごめんなさい美雪だけどそう言うのは自分が本当にそうだと確信した相手に言って上げた方が効果的デスヨ?」

「乗ってくれても良いのに・・・。セシリアの意地悪っ!!」

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