愛語り甘熟編 その4
内心そう頷き合う兄弟姉妹であったがその中でも長男であるヨシヒコは何処と無くだが外見的にも性質的にも父のそれに近いのか、キチンとその母国である“ニホン皇国”の礼節や風習を受け継いでおり、クロードやカズミ等が時折にしか見せないそうした態度を大低は実施していた(夕食を摂る際にカンツォーネ家に伝わる独自の“アルアリクス”と言う儀式的な民族習慣に則った祈りを全員で捧げる事は有った)が、そんな彼等の父カズキは特に子供達がまだ赤児の時分は夜泣きのあやしや授乳(なるべくは母親の母乳を飲ませたが、どうしてもの場合はスキムミルクで代替え)、お風呂や下の世話等はキチンとリディアと協同で当たった。
また彼は基本的には温厚であり、決してヨシヒコ等を無闇やたらに殴ったりはしなかったがしかし、躾にはそれなりに厳しい面を見せていて彼等が二歳〜五歳になるまでの凡そ三年間は食事のマナーや挨拶等が出来ないと何度か言葉で注意をし、それでも聞かない場合は「コラッ!!」と叱って手を叩く、と言った事を繰り返したのだ。
勿論、一概には言えないモノの、子供達は幼な心にそんな父親の姿を通して男の優しさ、逞しさ、暖さ、そして怖さを知り、自制心と共に“(油断するな、と言う意味でもだが)人を侮ってはいけない”と言う事を、それも肉体で感じ取って学ぶのであり、それは“結果として”父親の威厳にも結び付くが、これが有り過ぎても腑抜けになり、また足りない場合でも人の事などお構の無しに、ただ調子と勢いに乗って何処までも行動する輩が出来上がってしまう。
また彼は基本的には温厚であり、決してヨシヒコ等を無闇やたらに殴ったりはしなかったがしかし、躾にはそれなりに厳しい面を見せていて彼等が二歳〜五歳になるまでの凡そ三年間は食事のマナーや挨拶等が出来ないと何度か言葉で注意をし、それでも聞かない場合は「コラッ!!」と叱って手を叩く、と言った事を繰り返したのだ。
勿論、一概には言えないモノの、子供達は幼な心にそんな父親の姿を通して男の優しさ、逞しさ、暖さ、そして怖さを知り、自制心と共に“(油断するな、と言う意味でもだが)人を侮ってはいけない”と言う事を、それも肉体で感じ取って学ぶのであり、それは“結果として”父親の威厳にも結び付くが、これが有り過ぎても腑抜けになり、また足りない場合でも人の事などお構の無しに、ただ調子と勢いに乗って何処までも行動する輩が出来上がってしまう。
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