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恋愛モラトリアム 第五話 4

[614] アメージング・ソルジャー 2017-10-05投稿
「家のお父さん、病気でね。“自分ではお前を鍛えられないからここで勉強してきなさい”って言われたの・・・」

「そうなんだ、ってかさ。メリアリアのカッシーニ家ってアルベルトのカッシーニ家?」

「家を知っているの?」

「うん。だって僕の家、アルベルトの街のすぐ側だもん!!」

「うそ・・・!?」

 その言葉に、流石のメリアリアも驚いてしまうが彼女の実家、カッシーニ家は蒼太の家から程近いアルベルトの街の名士であり、古くからその地方の顔役として名を馳せていた。

 宿泊業から始まったその事業は今や旅行代理、水運、ワイン醸成、果ては洋菓子販売にまで広がっておりその名声、人望ともに相当なものだったがもっともそれは表向きのこと、本当は彼等は実に三百年の長きに渡り、この国の国王や臣民達を裏から密かに守り抜いてきたロイヤルオーダー“シルキード・ナイツ”を代々務めてきた家柄であり、しかもその内の何名かは組織においてリーダーに抜擢された事もあるほどの実力者揃いだったのである。

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