恋愛モラトリアム 第七話 5
ところがここに来てからというもの、彼らが制圧したのとは明らかに違う、他国の諜報員同士で戦った形跡が徐々に散見されるようになっており、中には死体が発見されるケースすらあったのだが問題なのはその数だ、以前からも極稀にそう言った事があるにはあったが特にこの一、二年の間、事件の件数が急激に増大の一途を辿りつつあった。
(このままではシルフィードが各国諜報員達の戦いの場と化してしまうのではないか)
そんな現状を見た王族や政府、そして各省庁は危機感を募らせていったのだがそんな彼らの内でも“仇明派”と呼ばれる、特に急進的なグループが存在しており、怪しいと思えば証拠が無くとも即逮捕、拘束して拷問に掛けてでも口を割らせる事も辞さない連中であり、その過酷な取り調べの為に既に数名の死者が出ていたのである。
当然、このやり方は著しく危険視されて遂には現国王ペリオット三世から“活動を自粛するように”との通達までもが出されたのであるが、しかしそれ位で自らを省みる彼らではなかった、表向きはその勅令に従う振りをしながらもその実、裏では依然として暗躍を続けており、事態は全く予断を許せる状況では無かったのだ。
一方でこれに対し、分別と礼節とを弁えて抑えるべきは抑える、というそれまでのシャドウスキルの精神と伝統とを守って行こうとする人々も出て来たが、“無憂派”と呼ばれた彼らは圧倒的大多数を誇っており、その構成メンバーの中にはセフィアリアやエルフォード、そして蒼太の父である亮太郎の姿もあって、尚且つ国王からの支持も取り付けていた。
(このままではシルフィードが各国諜報員達の戦いの場と化してしまうのではないか)
そんな現状を見た王族や政府、そして各省庁は危機感を募らせていったのだがそんな彼らの内でも“仇明派”と呼ばれる、特に急進的なグループが存在しており、怪しいと思えば証拠が無くとも即逮捕、拘束して拷問に掛けてでも口を割らせる事も辞さない連中であり、その過酷な取り調べの為に既に数名の死者が出ていたのである。
当然、このやり方は著しく危険視されて遂には現国王ペリオット三世から“活動を自粛するように”との通達までもが出されたのであるが、しかしそれ位で自らを省みる彼らではなかった、表向きはその勅令に従う振りをしながらもその実、裏では依然として暗躍を続けており、事態は全く予断を許せる状況では無かったのだ。
一方でこれに対し、分別と礼節とを弁えて抑えるべきは抑える、というそれまでのシャドウスキルの精神と伝統とを守って行こうとする人々も出て来たが、“無憂派”と呼ばれた彼らは圧倒的大多数を誇っており、その構成メンバーの中にはセフィアリアやエルフォード、そして蒼太の父である亮太郎の姿もあって、尚且つ国王からの支持も取り付けていた。
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