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恋愛モラトリアム 第九話 1

[339] アメージング・ソルジャー 2017-11-26投稿
「はい、はい、解りました。ええ、こちらは大丈夫です、証拠書類は焼却しましたから・・・。、あとはそちらへと合流するだけです、・・・それでは」

 カチンと受話器を置くその女性、コーネリア・スメルチカはフゥとタメ息を付いて宙を仰ぐが今年で二十六となるこの才媛は先祖が北方の雄、キエフ公国の出身であり、スラリとした体型に鼻の高い美人系の顔立ち、煌めく銀髪に燃えるような彼岸の持ち主であった。

 端麗な容姿と柔らかくて丁寧な物腰の彼女はしかし、歴としたシャドウスキルの工作員であり尚且つ仇明派の主力メンバーの一人であってその実力は非常に高く、たった一人で並の戦士三十人分の働きが出来る、とされていたのだ。

 現に赴任して僅か一年足らずの間にこの学園の事を粗方調べ上げていたのであるがそれももうすぐ終わりである、周囲にはお見合いで知り合った男性と結婚、寿退職だ、等と三か月以上も前から話しており手続きも順調に済んでいる、問題はない筈だった、所が。

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