月夜?
「静夜お前ルナ様を追い詰めて……どうしたんだ?」
十希が険しい面持ちで、静夜の自室に訪れていた。
「…」
「──……お前…ルナ様を…愛してるんだろ?一人の女性として…」
「十希…」
「俺のせいで…俺の気持ちを知ったからお前は自分の心を偽り、ルナ様を妹に思おうと思ったんだろ?」
静夜は肯定も否定もせず黙る。
「ルナ様がナイフで手を切ったんだ」
「なっ!!」
「静夜…お前ルナ様をどうしたいんだ?」
静夜はうつ向く。
「俺は……ルナが好きだ。傍にいて欲しい。でも……父さんはルナを玩具として扱えと言う。…将来はルナ以外の女と結婚するだろうな」
「静夜…」
「十希……俺はどうして愛する者の傍にいれないんだろ?妹華夜もルナも……誰一人守れない…」
静寂な夜。
月は変わらず、美しい。
「──……」
ルナは窓辺に立ち、月を見上げ、毎夜訪れる静夜を待っていた。
ガチャ
ドアが開いた。
「──……十希?」
ルナの部屋に、静夜では無く、十希が訪れた。
「どうしたの…?」
十希はルナに、悲しげに微笑むと、ルナの肩に手を置き、顔を近付けた。
「十…希…?」
十希は顔をルナに近付け、ルナの唇に触れるか触れないかでピタッと止まった。
唇に触れる手前で止まり、十希は顔を上げる。
「ルナ様……あなたは少しも汚れていない。どうか…幸せになって下さい」
ルナの手をとり、手首の傷に口付けを交すと一礼し、十希は部屋から去ろうとした。
「十希!待って!どうかしたの?」
様子のおかしい十希を心配するルナ。
十希は振り返り、満面の笑顔を見せた。
「ルナ様…あなたに会えて良かった。……静夜を頼みます」
今まで見た事無い清々しい十希の笑顔を見て、ルナが少し動揺する。
「十希…?」
十希は再度一礼し、部屋から去った。
ルナは呆然と十希を見送った。
書斎。
「誰だ?」
「失礼します。旦那様」
「十希か…何の用だ?」
十希は一礼すると、静夜の父で、十希の主でもある屋敷の当主に歩き寄り、傍に立った。
「十…希…お…まえ」
「あなたは…静夜にもルナ様にも…邪魔な方…死んで下さい」
十希は隠し持っていたナイフで、静夜の父の心臓を刺した。
感想
- 3833: えっ!!殺しちゃった!! [2011-01-16]
- 3838: 十希まじ頑張るね-笑 [2011-01-16]
- 3862: 読んで下さり感謝♪月夜もう少しで完結です♪でもラストは好き嫌いがわかれる結果になると思いますm(_ _)m作者 [2011-01-16]
- 3868: 展開がスゴイ☆ [2011-01-16]
- 3908: ? [2011-01-16]
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