地下室3
『は……裸?』 あぁ。やっぱり性的なことをやらされるんだ…。 女は悟った。このビデオカメラで撮影されるのだろう。女は不意に男を睨みつけて言った。『私の裸を撮影する気?とんだ変態野郎ね』男は片足に重心をかけて立っている。 『そう睨むなよ。美人が台無しだ』 『ふん。裸になんかなるもんですか、ぶん殴られた方がましよ!』 言ってから後悔した。男がしゃがんだと思うと、張り手が女の頬を直撃したのだ。 女はあと二回ほど顔を殴られ、床に突っ伏した。薄目を開けて男を見上げる。しゃがんでいる男は酷く苦しそうな顔をしていた。 女:(もしかしたら本当に女を殴るのは好きじゃないのかも) 実際殴られてもさほど痛くはなかった。 女は上半身を起こし、男と向き直った。 『手加減したでしょう?』 『顔を腫れあがらせたら依頼人にキレられる』 依頼人……。 『依頼人って誰なの?私の知ってる人?』 『答える必要はない。さっさと脱ぐんだ』 『全てを言ってくれたら脱ぐわ』 この一言を言うのは苦痛だったが自分をこんな目に遭わせた依頼人のことがどうしても知りたくなっていた。 男は最初黙って女を見つめていたが、やがてニヤッと笑って言った。 『話したら本当に脱ぐのかい?残念だが信用できないね』 『言いたくないなら結構よ。私は脱がないから。思う存分、乱暴すればいいわ』 男はやろうと思えばいつでも乱暴出来たはず。でもしない。やっぱり女に手は出したくないんだわ。女は勝利を確信して言った。 『言ってよ。言えばあなただって楽なはずよ?私を殴らなくて済むんだから』 男は溜め息をついた。両手を上げて降参のポーズをとり立ち上がる。そして静かに話だした…。 女は落ち着きを取り戻していた。頭の中のどこかで、この男は安全かも知れないと、思い始めていた…。
感想
- 3977: 改行は次から入れてぃきます。官能小説なのに、なかなか性的なところが出てこなくてすぃません。【作者】 [2011-01-16]
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