妹(2)
「明日何時から式だっけ?」「挙式は12時だよ」
見れば、明日ホテルに着ていくワンピースが壁に掛かっている。
「これでよしと…」妹は、結局、俺と写っている写真を全て
破ってゴミ箱へ捨てた。
「卓也のどこが気に入ったんだ?」「お兄ちゃんと真逆のとこ」
「俺のどこが嫌いなんだよ」妹は笑った。
「なに、マジになってんの。冗談に決まってるでしょ」
妹はそういうと、トランクから下着を取り出した。
「お風呂入ってくる…もう遅いし、私寝るよ」
妹が薄いブルーのショーツを丸めて手の中へ収めるのを
俺は気づかれない様に見ていた。
今日、母親は親戚たちの世話で、式場のホテルへ
泊ることになっている(田舎から親族がわらわら来るのだ)
おやじは、昔から単身赴任で、明日、直接ホテルへ行くという。
つまり、今夜は俺と妹は二人だけなのである。
妹は階段をおり、浴室のドアを閉めた。
その音はここ数十年聞き慣れている音だ。
見れば、明日ホテルに着ていくワンピースが壁に掛かっている。
「これでよしと…」妹は、結局、俺と写っている写真を全て
破ってゴミ箱へ捨てた。
「卓也のどこが気に入ったんだ?」「お兄ちゃんと真逆のとこ」
「俺のどこが嫌いなんだよ」妹は笑った。
「なに、マジになってんの。冗談に決まってるでしょ」
妹はそういうと、トランクから下着を取り出した。
「お風呂入ってくる…もう遅いし、私寝るよ」
妹が薄いブルーのショーツを丸めて手の中へ収めるのを
俺は気づかれない様に見ていた。
今日、母親は親戚たちの世話で、式場のホテルへ
泊ることになっている(田舎から親族がわらわら来るのだ)
おやじは、昔から単身赴任で、明日、直接ホテルへ行くという。
つまり、今夜は俺と妹は二人だけなのである。
妹は階段をおり、浴室のドアを閉めた。
その音はここ数十年聞き慣れている音だ。
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