Next Dream 8【完】(BL注意)
彬が気を失っていたのはほんの少しの時間だった。
早すぎる鼓動が少し落ち着いてきた頃、彬は目を開けた。
「あ…れ?」
「大丈夫か?」
「…もしかして俺、意識飛んでた…?」
「悪い。無理させたな」
「んーん。だいじょーぶ」
そう言って彬は上体を起こすが、恐らく身体中が悲鳴を上げているのだろう。
「ぅ…」と、僅かに呻き声を洩らして顔を顰めた。
「ホラ、やっぱ辛いんじゃん」
「大丈夫だって」
「気絶してた奴が何を言う」
「それは…」
そこで一旦言葉を区切った彬は、俺の傍に擦り寄って来て至近距離で口を開いた。
「佑兄のが気持ち良過ぎたからだろ?」
小悪魔再来。
「お前なー。誘うな!」
「誘ってないよ?」
「襲うぞ」
「きゃー、ケダモノー!」
そんなバカな事を言ってじゃれ合いながら夜は更けてゆく。
離れたくはないが、そうも言っていられない。
風呂に入ってから、俺はまた親にバレないように自分の部屋に戻った。
―――朝
いつもの目覚ましでも母親の声でもなく、俺は息苦しさに目を覚ました。
目を開けると目の前には彬の伏せられた長いまつ…げ。
「んんーっ!んんっ!」
口を唇で塞ぐまでは良い。
寧ろ大歓迎だ。
だが、鼻を指で抓むのは止めてくれ。
人工呼吸でもするかのように、鼻も口も塞がれて酸素が限界だった。
彬の肩を叩いてギブアップの意を伝える。
「ぷはっ!…彬!」
「おはよ。佑兄」
「お前なー、起こすんならもーちょい色気のある起こし方しろよ!」
「えー?そんな起こし方したら、違うトコも起きちゃうんじゃない?」
「………」
…ごもっとも。
何も言えない自分が情けない。
それでも彬の手を掴んで引き寄せる。
「じゃあアッチは起こさないから、もう一回目覚めの…」
―――キスをして。
言う前に彬に唇を塞がれていた。
幸せな朝のひととき。
こんな時間がいつまでも続けば良いのに…。
「佑樹!早く起きなさい!遅れるわよ!」
そんな俺のささやかな夢は、ほんの5秒で母親の声によって吹き飛ばされていった。
「彬」
「ん?」
「お前って結構タフだな」
「若いですから」
「あ、そ」
卒業したら絶対に一人暮らしをしよう。
誰にも邪魔されず、お前と過ごせる時間を作ろう。
そして、ゆくゆくは二人で一緒に…。
――END
早すぎる鼓動が少し落ち着いてきた頃、彬は目を開けた。
「あ…れ?」
「大丈夫か?」
「…もしかして俺、意識飛んでた…?」
「悪い。無理させたな」
「んーん。だいじょーぶ」
そう言って彬は上体を起こすが、恐らく身体中が悲鳴を上げているのだろう。
「ぅ…」と、僅かに呻き声を洩らして顔を顰めた。
「ホラ、やっぱ辛いんじゃん」
「大丈夫だって」
「気絶してた奴が何を言う」
「それは…」
そこで一旦言葉を区切った彬は、俺の傍に擦り寄って来て至近距離で口を開いた。
「佑兄のが気持ち良過ぎたからだろ?」
小悪魔再来。
「お前なー。誘うな!」
「誘ってないよ?」
「襲うぞ」
「きゃー、ケダモノー!」
そんなバカな事を言ってじゃれ合いながら夜は更けてゆく。
離れたくはないが、そうも言っていられない。
風呂に入ってから、俺はまた親にバレないように自分の部屋に戻った。
―――朝
いつもの目覚ましでも母親の声でもなく、俺は息苦しさに目を覚ました。
目を開けると目の前には彬の伏せられた長いまつ…げ。
「んんーっ!んんっ!」
口を唇で塞ぐまでは良い。
寧ろ大歓迎だ。
だが、鼻を指で抓むのは止めてくれ。
人工呼吸でもするかのように、鼻も口も塞がれて酸素が限界だった。
彬の肩を叩いてギブアップの意を伝える。
「ぷはっ!…彬!」
「おはよ。佑兄」
「お前なー、起こすんならもーちょい色気のある起こし方しろよ!」
「えー?そんな起こし方したら、違うトコも起きちゃうんじゃない?」
「………」
…ごもっとも。
何も言えない自分が情けない。
それでも彬の手を掴んで引き寄せる。
「じゃあアッチは起こさないから、もう一回目覚めの…」
―――キスをして。
言う前に彬に唇を塞がれていた。
幸せな朝のひととき。
こんな時間がいつまでも続けば良いのに…。
「佑樹!早く起きなさい!遅れるわよ!」
そんな俺のささやかな夢は、ほんの5秒で母親の声によって吹き飛ばされていった。
「彬」
「ん?」
「お前って結構タフだな」
「若いですから」
「あ、そ」
卒業したら絶対に一人暮らしをしよう。
誰にも邪魔されず、お前と過ごせる時間を作ろう。
そして、ゆくゆくは二人で一緒に…。
――END
感想
- 5016: 作者です。ここまでお付き合い下さった皆様、ありがとうございました。どうだったでしょうか?また感想等頂ければと思います。 悠 [2011-01-16]
- 5017: お疲れさまですm(__)mハッピーエンドは嬉しいけど、終わってしまったのが悲しくて三日間くらいへこみそうです笑 [2011-01-16]
- 5021: 純粋に恋愛小説として読ませていただきました。とっても良かったです。次回作も期待してます! [2011-01-16]
- 5026: とてもヨカッタデスッ★+。 なンか彬と祐樹が羨?L1デス(●>H<●) [2011-01-16]
- 5053: 作者です。感想ありがとうございます。気に入って頂けてとても嬉しいです。次はどうするかまだ考え中です。書くかもしれないし、書かないかもしれません。全く新しいものにするか、佑樹×彬の続きを書くか…。期待はしないで下さい(苦笑) 悠 [2011-01-16]
- 5056: 前回作も良かったですが今回もゃっぱり良かったです*。(´∨` )楽しませてぃただきました。 ぁの、悠サンは男の人ですか?女の人ですか?良ければ教ぇて下さぃ。(´н` )、 [2011-01-16]
- 5069: 作者です。男か女かご想像にお任せします(笑) 悠 [2011-01-16]
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