0号6
寒い…また雪が降ってる…
「母さん、今日はまっすぐ帰って来たら?」「明日は休みだから寄っておくわ」
「気をつけてよ」
「大丈夫よ」
そんなやりとりが聞こえてきた。
おふくろの出勤の見送りだけなんとか間に合って、食卓に着いた。
向かい合ってトーストをほおばる。
静けさに責められたようで、美咲がテレビのスイッチを入れた…
会話がない。
別にいつもの通りだけど、今朝はなんか気になる…
「起きるの早かったんだな…」
「うん」
「今日はやることあんのか?」
「ない」
「昨日みたいに言わないじゃん、退屈だって…」
「退屈だよぉ…お兄ちゃん遊んでくれないし…」
「お前と何して遊ぶんだ?」
ヘラヘラ笑ってやった。
「この雪のせいだよ…」
珍しいな…よく降ってる…
「雪合戦?雪だるま?」
子供扱いしてからかってみる…あんまりウケなかった。
「お兄ちゃんもヒマだよね…彼女とかいないの?」
「いない…欲しい。紹介してくれ」
「え〜、どんな子が好みなの?」
「可愛くて…優しくて…スタイル良くて…巨乳…」
途中から無視された。「いるわけないじゃん」
…いるよ…かなり近い子が…ウチに…
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