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星に願いを NO.3

[7696]  小椋都  2007-02-05投稿
「男は…嫌い。」

私は秀太郎を直視することができなくなった。
秀太郎はタバコに火をつけた。そしてフゥーっと一息つくとゆっくりこちらを見た。

「俺が女なら迷惑じゃないの?」

秀太郎の厳しい声が聞こえる。

「そういう問題じゃないの。」

「お前、あんまり友達いないだろ。」

あんまりどころか、一人もいないと思う。それが何だと言うのだろう。

「どうでもいいでしょ。そんなこと。」

私の言葉に秀太郎はすぐに返した。

「良くないね。俺は季吹のこと友達だと思ってるよ。」

私は返事ができなかった。彼をどんな物好きかとも思った。

「…。」

私をみつめながらゆっくりと彼は続けた。

「誰かに何か言われてんの?」

「そういうわけじゃない。」

「じゃあ受け入れてよ。」

私は黙ってその場でうつ向いていた。友達という存在。
私には無縁だった。あちこち転々とする生活。殴る父。尻軽な母。自分を守ることに精一杯だった私。

「じゃあな。」

秀太郎はバイクのエンジンをかけて、私を置いて帰って行った。

蒸し暑い、初夏の出来事。

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