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星に願いを NO.25

[8893]  小椋都  2007-02-25投稿
それから毎日、私と秀太郎は抱き合った。どちらかが誘うってわけでもなく、お互いが目を合わせれば唇が重なり合って、裸になって。

「あ…。ここにもあった。」

「そんなとこに…?」

「うん。けっこう大きい。」

秀太郎は最中に私のホクロを見つけては舌で愛撫した。私は妙にそれをいやらしく感じてしまい、ソコを濡らす。

秀太郎の前で私は女だった。

コトを終えると秀太郎の腕の中で、たわいもない話をした。今日何があったかとか、昔の話とか。

「なぁ季吹。」

秀太郎が突然、少し真面目な口調で話しかけてきた。

「何?」

「お母さんに連絡したか?」

秀太郎の言葉にドキッとした。

「してないよ。しなくていいよ。どうせ私は邪魔だと思うし。」

母からの葉書は箱に入ったままだ。

少し間を置いて、秀太郎が口を開いた。

「俺な。両親いないんだよ。」

私は固まってしまった。知らなかった秀太郎の生い立ち。

「俺は羨ましいよ。どんな母親でもさ。」

秀太郎は私に微笑みかけ、軽くキスをした。
秀太郎のこの言葉がなかったら、私は一生母に会うことはなかったかもしれない。

秀太郎は私に大切なことをたくさん教えてくれた。

そして、旅立ちの朝。テーブルにあの花火の夜に撮った写真を置いて、秀太郎は出ていった。私には何も言わず。

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