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桜吹雪の下で

[5532]  吉田理  2007-03-24投稿
「日向…愛してる」
そんな柔らかい眼差しで
頬笑まないで欲しい。
いつ再発するかわからない。人は二度と愛さない。
固く心に決めたのに…。
そんな風に言われたら男の僕でも心が揺るんでしまう。
「ふざけるな!僕は男だ。そんなことは女の子にいうもんだ!バカタレが!!」 おもいっきり和雪の頭を叩く。
「つまらん男だ。そこらの女より可愛い顔をしてなにを言う」
和雪は、僕に叩かれて、ずれた黒ぶちの眼鏡をかけ直しながら呟く。
「つまらなくない!お前がおかしい!!もうすぐ、先輩達がくるのにしっかり集中しろ!!!」
恒例のわが社の花見大会。僕と和雪が今年の場所とり当番だ。
「寒い…。花見なんかくそくらえだ」
和雪は立ち上がろうとする。
「おい、待て!こら、逃げるな和雪!!」
和雪のスーツの裾をひっぱるが…僕は長時間正座をしていたので 和雪もろともひっくり返った。
「あててて…」
「日向…大丈夫か?」
和雪の顔が10cmほどのところにまで近づいている。足がしびれすぎてどうしょうもできない。
「うるさい!どけ!大丈夫だからそれ以上寄るな!」「和雪、愛してる。熱烈キッスがほしい?」
「てめぇー!?」
うわぁ!和雪の唇がぁ! 唇がぁ!当たる!当たる!当たる!それ以上近付いたら?!」
「ぎょえぇぇ???△●◇★×?!」
和雪は僕のしびれた爪先をおもっきりつねったのだった。
「和雪ィ〜てめぇー!」
和雪は口元から八重歯をみせながら頬笑んだ。

続く


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