ゆりかご?
「あっお待ちかねのブ-ケだよ」女の子達が駆け寄って行く。
私は皆から少し離れた所にいた。
「投げるよ」華蓮の元気な声…そして皆の賑やかな声と共にブ-ケが投げられた。
風が…優しい風が吹いて少し離れた私の所にブ-ケが…
でもキャッチしたのは私じゃなくて…男の人。その人は皆から注目を浴びながらすぐ横にいる私にブ-ケを差し出してきた。
「鞠華ちゃん良かったらいる?俺中学から野球始めてさ、反射的にとってしまっただけだし」
「えっでも…」
あれ?何でこの人私の名前…ボケーっと考えてる私に彼は「いい加減気付けよ…」そう言って私を抱き締めた。
りゅー君だ…りゅー君だ…
「りゅー君?」
「そうだよ」
皆の注目を浴びながら私達は抱き締めあって何度も名前を呼んだ。ずっと心の中でしか呼べなかった名前を…何度も、何度も…
「でっブ-ケいらないの?」涙ぐむ私に問い掛ける。
「りゅー君が持ってても意味は一緒でしょ?」
「そうだね鞠華ちゃん」
りゅー君と向き合って何を話そう?何から話そう。
まずはりゅー君を忘れた日はなかった事を、今までとこれからを話そう。
それから…ゆりかごのように優しく揺れるこの気持ちを、過去も未来も…全部伝えたいな。
-終-
私は皆から少し離れた所にいた。
「投げるよ」華蓮の元気な声…そして皆の賑やかな声と共にブ-ケが投げられた。
風が…優しい風が吹いて少し離れた私の所にブ-ケが…
でもキャッチしたのは私じゃなくて…男の人。その人は皆から注目を浴びながらすぐ横にいる私にブ-ケを差し出してきた。
「鞠華ちゃん良かったらいる?俺中学から野球始めてさ、反射的にとってしまっただけだし」
「えっでも…」
あれ?何でこの人私の名前…ボケーっと考えてる私に彼は「いい加減気付けよ…」そう言って私を抱き締めた。
りゅー君だ…りゅー君だ…
「りゅー君?」
「そうだよ」
皆の注目を浴びながら私達は抱き締めあって何度も名前を呼んだ。ずっと心の中でしか呼べなかった名前を…何度も、何度も…
「でっブ-ケいらないの?」涙ぐむ私に問い掛ける。
「りゅー君が持ってても意味は一緒でしょ?」
「そうだね鞠華ちゃん」
りゅー君と向き合って何を話そう?何から話そう。
まずはりゅー君を忘れた日はなかった事を、今までとこれからを話そう。
それから…ゆりかごのように優しく揺れるこの気持ちを、過去も未来も…全部伝えたいな。
-終-
感想
感想はありません。