明暗邂逅4
終学活で彼女の体操着の事件がとりあげられたけれど、犯人として名乗り出る人はいなかった。彼女は半分笑いながら「大丈夫ですから」と先生に言い続けた。僕は女子数名がひそひそ話しをしているのを見てしまった。彼女らの目は無表情のまま水森サテラに向けられていた。
帰り際、水森サテラを見かけた。幸運だ。犯人を教えてあげなければ。
「水森さん!!」
「樫那くん!どうしたの?」
制服のスカートをひらひらさせて、彼女もこちらに駆け寄ってきてくれた。
「あの体操着の犯人、分かったんだ」
言った瞬間、彼女は表情を曇らせた。そして首を振って答えた。
「ううん、聞きたくない」
茶色の長い髪が左目を覆った。ピンクのほっぺが涙に濡れていた。
「いいの樫那くん。いいの」
また笑おうとした彼女を、僕は了承も無く抱き締めてしまった。
彼女はバッグを手から落とした。その手は僕の背中をぐっと抱いた。僕の胸で彼女は声を殺して泣いていた。
帰り際、水森サテラを見かけた。幸運だ。犯人を教えてあげなければ。
「水森さん!!」
「樫那くん!どうしたの?」
制服のスカートをひらひらさせて、彼女もこちらに駆け寄ってきてくれた。
「あの体操着の犯人、分かったんだ」
言った瞬間、彼女は表情を曇らせた。そして首を振って答えた。
「ううん、聞きたくない」
茶色の長い髪が左目を覆った。ピンクのほっぺが涙に濡れていた。
「いいの樫那くん。いいの」
また笑おうとした彼女を、僕は了承も無く抱き締めてしまった。
彼女はバッグを手から落とした。その手は僕の背中をぐっと抱いた。僕の胸で彼女は声を殺して泣いていた。
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