あたしは乙女、ストーカー。[1]
あたしの右斜め前の席で、今日もあいつは机につっぷしてガン寝してる。
先生が教務手帳を片手に持って、こっそりあいつに近づいていく。クラスのあちこちから忍び笑いが聞こえる。
あと3歩…2歩…
バシッ!!
「…いてっ!!」
頭を思い切り叩かれて、あいつは跳ね起きた。その拍子に膝を机の裏にぶつけ、机を引っくり返してしまう。その派手な音と間抜けな様子に、思わずみんな笑ってしまった。
(…あ-あ、寝顔の方が可愛かったのになぁ〜)クラスは次第に静かになり、授業モードに戻っていく。
あたしは少し残念な気持ちで、あいつの背中を眺めた。
細身だけれど、肩幅は意外とある。身長171?のわりには座高が低く、左どなりの女子とあんまりかわらない。
あたしは最近、まったく授業に集中できない。
今年の春、あたしたち選抜クラスに上がってきたあいつのせいで。
特に顔がかっこいい訳でもない。身長もそこまで高くない。ずば抜けた特技も個性的な趣味もなさそうだ。バカみたいに明るくて、休み時間はひたすら騒いでいる。
でもあたしは、初めて同じクラス内で顔を合わせた時─あいつはすごく不安そうで、まるで小学校の飼育小屋に連れてこられて間もないウサギのようだった─からあいつが気になってしかたがなかった。
少し話してみると、あいつは想像していたよりもずっと優しい人で(恋は盲目だ、とあたしの周りの友達はみんな全否定した)、あたしはこんなにもあいつにはまってしまった。
先生が教務手帳を片手に持って、こっそりあいつに近づいていく。クラスのあちこちから忍び笑いが聞こえる。
あと3歩…2歩…
バシッ!!
「…いてっ!!」
頭を思い切り叩かれて、あいつは跳ね起きた。その拍子に膝を机の裏にぶつけ、机を引っくり返してしまう。その派手な音と間抜けな様子に、思わずみんな笑ってしまった。
(…あ-あ、寝顔の方が可愛かったのになぁ〜)クラスは次第に静かになり、授業モードに戻っていく。
あたしは少し残念な気持ちで、あいつの背中を眺めた。
細身だけれど、肩幅は意外とある。身長171?のわりには座高が低く、左どなりの女子とあんまりかわらない。
あたしは最近、まったく授業に集中できない。
今年の春、あたしたち選抜クラスに上がってきたあいつのせいで。
特に顔がかっこいい訳でもない。身長もそこまで高くない。ずば抜けた特技も個性的な趣味もなさそうだ。バカみたいに明るくて、休み時間はひたすら騒いでいる。
でもあたしは、初めて同じクラス内で顔を合わせた時─あいつはすごく不安そうで、まるで小学校の飼育小屋に連れてこられて間もないウサギのようだった─からあいつが気になってしかたがなかった。
少し話してみると、あいつは想像していたよりもずっと優しい人で(恋は盲目だ、とあたしの周りの友達はみんな全否定した)、あたしはこんなにもあいつにはまってしまった。
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