六十秒
学校が終わり、
駅に向かって歩いていた時不意に公園の前で足を止めた。
普段は公園なんか素通りするのに…。
吸い込まれるように、
ゆっくりと公園の中に入った。
夕日で朱く染まった公園は子供達が親に手を引かれ、幸せそうに帰って行く。
夏の終わりが近いているせいか少し涼しくなってきた
(……???木の上に人がいる。)
近づいて下から見上げてみた。
(女の子だ。…綺麗な長くて黒い髪だなぁ。)
「………!」
(あっ、気付いた。)
目があった。
「!?うわぁ!!!危ない!!!」
女の子が飛び下りた。
「………」
「…あの、大丈夫?あんな所で何してたの?」
「…大丈夫だから。」
そう言ってどこかに行ってしまった。
(さっきの子…手首に包帯してたな。怪我でもしてるのかな……。)
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