少年群像
「…」
火が燈ったように熱っぽい彼の視線にまた下半身が疼く。
口元も誘うように濡れて、俺の首筋に熱く荒い息がかかる。
「…先輩、綺麗だ…」
突然の告白に目を見開く。
(…なにいって…)
言葉の意図を計りかねている俺を残し、織部は俺の片足を膝裏からすくうようにして開かせる。
自然と俺の体で床についているのは片足の爪先だけで、後は背中の壁に寄り掛かるように体重を支えるのみとなる。
余りに不安定な姿勢に思わず織部の首元に両手をかける。
「それに…可愛い…」
僅かに口元を綻ばせて優しそうな笑みを浮かべる。
(あ…)
胸の奥がきゅぅと締め付けられる。
(綺麗なのはお前だ…、織部。)
今日初めて知り合って今日初めて肌を重ねた相手。それなのに…
思わず顔を反らす。
何と言っていいのかわからない。ただ奪ってくれればいい。ずっとそうだった。同級生も先輩も後輩も、教師だって…。
中には柚木を見下し軽蔑し、思いつく限りの侮蔑の言葉を吐き捨てていった奴もいた。
それでも柚木は平気だった。そんな奴らも柚木と向かい合うとき、己の中の歪んだ感情が瞳の奥にチラチラと揺らいでいるのを柚木は知っていた。
でも…
漸く気付く
(こいつにはない…)
火が燈ったように熱っぽい彼の視線にまた下半身が疼く。
口元も誘うように濡れて、俺の首筋に熱く荒い息がかかる。
「…先輩、綺麗だ…」
突然の告白に目を見開く。
(…なにいって…)
言葉の意図を計りかねている俺を残し、織部は俺の片足を膝裏からすくうようにして開かせる。
自然と俺の体で床についているのは片足の爪先だけで、後は背中の壁に寄り掛かるように体重を支えるのみとなる。
余りに不安定な姿勢に思わず織部の首元に両手をかける。
「それに…可愛い…」
僅かに口元を綻ばせて優しそうな笑みを浮かべる。
(あ…)
胸の奥がきゅぅと締め付けられる。
(綺麗なのはお前だ…、織部。)
今日初めて知り合って今日初めて肌を重ねた相手。それなのに…
思わず顔を反らす。
何と言っていいのかわからない。ただ奪ってくれればいい。ずっとそうだった。同級生も先輩も後輩も、教師だって…。
中には柚木を見下し軽蔑し、思いつく限りの侮蔑の言葉を吐き捨てていった奴もいた。
それでも柚木は平気だった。そんな奴らも柚木と向かい合うとき、己の中の歪んだ感情が瞳の奥にチラチラと揺らいでいるのを柚木は知っていた。
でも…
漸く気付く
(こいつにはない…)
感想
感想はありません。