少年群像
心地よい風に乗って窓の外から予鈴が聞こえてくる。
同時に教室のドアが開く音や生徒の声で辺りが賑やかになる。
抜けるような青空にそこだけ切り取ったかのような真っ白な雲が目に痛い程鮮明だ。
今日はトラックをどれくらい走れるだろうか…?初夏を思わせる爽やかな風が織部の座る窓辺にも届き、それだけで肩や足、体が疼いてしまう。
…―あの後、自分の腕の中でぐったりと意識を失ってしまった柚木を抱き抱え、織部は慌てて保健室に走った。
生憎保健医は留守で几帳面に鍵までかかっていたのを、すっかり動転してしまっていた彼は、力負かせに蹴り上げて柚木をベッドまで運んだのだった。
直ぐに、保健医の橋田が戻って来て、暫く変わり果てた部屋の様子に無言で顔を顰めていたが、ベッドに横たわっている柚木に気付くと、様子をみながら体温を計ったり氷嚢を用意してくれた。
柚木は相変わらず静かに眠っている。
風が目尻から耳元に掛かる柔らかそうな彼の髪の毛を優しく揺らしている。
じっ…と覗き込むと白い前歯が僅かに見えて、口元からは微かな吐息が聞こえてくる。
同時に教室のドアが開く音や生徒の声で辺りが賑やかになる。
抜けるような青空にそこだけ切り取ったかのような真っ白な雲が目に痛い程鮮明だ。
今日はトラックをどれくらい走れるだろうか…?初夏を思わせる爽やかな風が織部の座る窓辺にも届き、それだけで肩や足、体が疼いてしまう。
…―あの後、自分の腕の中でぐったりと意識を失ってしまった柚木を抱き抱え、織部は慌てて保健室に走った。
生憎保健医は留守で几帳面に鍵までかかっていたのを、すっかり動転してしまっていた彼は、力負かせに蹴り上げて柚木をベッドまで運んだのだった。
直ぐに、保健医の橋田が戻って来て、暫く変わり果てた部屋の様子に無言で顔を顰めていたが、ベッドに横たわっている柚木に気付くと、様子をみながら体温を計ったり氷嚢を用意してくれた。
柚木は相変わらず静かに眠っている。
風が目尻から耳元に掛かる柔らかそうな彼の髪の毛を優しく揺らしている。
じっ…と覗き込むと白い前歯が僅かに見えて、口元からは微かな吐息が聞こえてくる。
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