少年群像
柚木はそんな織部を相変わらず冷めた表情で見つめている。
しかし、まだ体は回復していないのか、腰を庇うようにして校門の外壁に体を寄り掛からせていた。
そんな些細な仕草さえ男を惑わす媚態に見えて、織部は慌てて頭を振るう。
「すみません!俺、今日どうかしてて、自分でも何でこんな……酷い事したって思ってます。だから、せめて、家まで送らせてください!」
「…」
じわりと背中に汗が滲む。
そんな織部の必死な様子を柚木は眉一つ動かさず黙って見ていた。
「…何で謝るの?」
「!」
「…織部は悪くない。誘ったのは俺だから…。織部が気にする必要なんてないんだ。それにこんな体、今更どうなったってかまわないし…。知ってるだろ?今まで俺がどんな事してきたか…。」
(…柚木さん…)
淡々とした様子でそれだけ言うと、少し伏し目がちに顔を逸らし、黙ってしまう。その目には、小さな、しかし底が見えない奈落のような深い影がちらちらと揺れていた。
そしてまるでここではない別の何処かをじっ…と見つめているようで、
(…知りたい…、俺はこの人の事を…っ)
そう感じたとたん織部はたまらない気持ちになった。
しかし、まだ体は回復していないのか、腰を庇うようにして校門の外壁に体を寄り掛からせていた。
そんな些細な仕草さえ男を惑わす媚態に見えて、織部は慌てて頭を振るう。
「すみません!俺、今日どうかしてて、自分でも何でこんな……酷い事したって思ってます。だから、せめて、家まで送らせてください!」
「…」
じわりと背中に汗が滲む。
そんな織部の必死な様子を柚木は眉一つ動かさず黙って見ていた。
「…何で謝るの?」
「!」
「…織部は悪くない。誘ったのは俺だから…。織部が気にする必要なんてないんだ。それにこんな体、今更どうなったってかまわないし…。知ってるだろ?今まで俺がどんな事してきたか…。」
(…柚木さん…)
淡々とした様子でそれだけ言うと、少し伏し目がちに顔を逸らし、黙ってしまう。その目には、小さな、しかし底が見えない奈落のような深い影がちらちらと揺れていた。
そしてまるでここではない別の何処かをじっ…と見つめているようで、
(…知りたい…、俺はこの人の事を…っ)
そう感じたとたん織部はたまらない気持ちになった。
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