紫陽花[008]
陽介の、私を抱きしめる腕はとても男性らしい…温かいものだった。頭が変になってくる…。シャツのボタンを3、4個開けて指で胸の辺りを陽介は優しく撫でていた。…振り払うなら今かもしれないと理性が働いた。「紫織さん…俺すごくドキドキしてる」そっと陽介を見ると、男性らしい温かさから急に少年のような陽介の目だった。ずるいよ。そんな目。今まで一度も見せたことのない目。まるですぐ壊れそうな目。そんな目で見られたら…。私の中の何かが壊れた音がした。世の中の「先生」と呼ばれるひとがしちゃいけないこと…。シャツのボタンを開けたまま…指を絡めたまま…何度もキスをした。陽介の息も舌も唇も柔らかかったのを覚えている。そっとブラジャーの上を撫でて乳首に触れられた瞬間…声が漏れてしまった。「ぁ…」声にならない声…。ダメなのに…こんなこと…。「やめた方がいい?」と陽介が聞いてきた。もう私は壊れそうだった。「やめないで…」…言ってしまった。「紫織さん…すごくやらしい顔してるね。」…その瞬間とても後悔のようなものが襲ってきた。私は本当にしちゃいけないことを受け入れようとしている。「…やっぱり…ダメ…」「何が?」と陽介に乱暴にキスされた。
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