Make "L"ove 〜心〜
私はふいに、アイスを近くの皿に置き、トニに歩み寄った。
「・・・リノ?」
「トニ・・・ごめんなさい」
「いつか、私が電話で『あなたの指が忘れられなくて、時々オ@ニーしてた』って言ったの、覚えてる?・・・それから、お互いに電話でオ@ニーするようになったことも・・・」
「リノ・・・それじゃ・・・」
「・・・ずっと、あなたの温もりが欲しいって思ってた。・・・そう。この8年間、ずっと・・・」
「・・・だから、あんな食べ方をしたわけ・・・?」
「トニ、本当にごめんなさい。私、またあなたの腕の中で眠りたいだけだったの・・・それなのに・・・あなたを、陥れるようなことを・・・本当に・・・本当にごめんなさい・・・」
涙が一滴、また一滴と頬を伝い、トニの姿が滲んで、見えなくなっていった。
気付くと、私はトニの腕の中にいた。
「リノ・・・ずるいよ。・・・本当に、泣かなきゃいけないのは・・・僕のほう、なのに・・・」
トニの声が、かすかに震えている。
私は驚いて、目をぬぐい、彼の顔を見た。
トニの頬は、私にもまして、涙に濡れていた。
「知らなかったんだ・・・君が、そんなにまで、僕を思ってくれていたこと・・・リノ、ありがとう・・・ありがとう!」
トニは、いっそう強く、私を抱きしめた。
暖かい。
愛すべき人がそばにいるというのは、こんなにも暖かいものなのだろうか。
その愛を確かめるように、トニは、優しく唇を重ねてきた。
トニの息が口の中に漂い、彼の体温が伝わってくる。
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