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それでも愛したい 7

[13451]  2008-02-14投稿
翌日の学校。

「それ以来あんたら口も聞いてないってワケか」

純菜が知った風に言う。
昨日とは打って変わった気だるい昼休みだと涼は思っていた。

「わけわかんないっスよ…。例の件て…。俺、なんにも分かんなくて…突然、スズのヤツ泣き出して」

「あの針谷が泣いたのなんか見たこと無いねぇ。肝の据わった女だよ」

「どんな理由にせよ俺が除け者ってのが気に食わないっつーか…腹が立つっていうか」


その時、昨日の別れ際とまったく変わらない顔で涼香が涼の元へ来た。

「ジュンちゃん……ごめん、ちょっといい?」

「針谷…大丈夫かい?あんまり寝てないだろ、テスト前みたいな顔してる」

涼香は取り繕って見せ、涼を人気のない上階にまで引っ張って来た。


「今日…………」

か細い声だ。
いつもの元気さは無い。

「ウチ…来て」

「あ、ああ。それより昨日の…」

「じゃあ…ね」


最後に涼の袖をギュッと握って涼香は去って行った。
また泣いているようだった。



約束通り、友達との予定やバイトも全て無いことを確認し、涼は涼香のクラス近くで待っていた。

「お待たせ」

なんだか覚悟を決めたような凛とした顔をしていると涼は思った。


帰り道、涼は質問を浴びせた。

「何の話しか説明してくれよ!」

「今からウチでね。良いでしょ?」

「今すぐはダメなのかよ?」

「ダメ」

涼は先を急ぎ歩く涼香の腕を引っ張った。

「いい加減にしろよ!何を隠そう……と…」

涼香は顔をくしゃくしゃにして泣いていた。

うつむいてすぐに顔を隠して歩き始める。


(なんだよ、今の顔……。)

まるで人が亡くなったかのような。
悲痛な顔だ。

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