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それでも愛したい 8

[14005]  2008-02-14投稿
涼香の家に着くと、そこから先は涼も有無も言わず席に着くしかなかった。

涼香の家に涼の両親がいる。

涼の父親は出張から帰って来たばかりのようで、疲れているように見える。
母親は、泣いている。

涼香の家は母子家庭だった。
涼香の母親も泣いていた。

どういう状況なのか涼はもはや到底、理解出来なかった。

意外にも切り出したのは涼香だった。


「涼…いきなりこういうの、ごめんね」

「い…いや、それより母さんもおばさんもなんで泣いてるのか……スズも」


「涼………私たち、私たち家族になるの」

「え?」

涼の母親が切り出した。

「涼、あなたの本当の家族は私じゃない。本当の家族は目の前の三人だよ」


よく分からなかった。
それが涼の正直な感想だ。

「あのね涼…母さんと涼は……血はつながってない」

「母さんと…?」

「目の前にいる涼香ちゃんのお母さんが、涼の本当のお母さんだよ」


スズの母親が…俺の母親…。
だとしたら。

最後に父親が言った。

「涼香ちゃんも涼も、俺と針谷さんとの間に出来た、姉弟だ」


「姉弟…………」

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