白衣の先生 2
「ぎゃ!」
腕を引っ張られた。
気付けば、先生に抱き締められていた。
薄汚れた白衣に顔がうずくまる。
眼鏡がズレて、視界が歪む・・・。
「ちょっ!え!」
なんだかよくわかんない状況に陥った私は動けなかった。
先生の、ほのかな香水とタバコの匂いが私の心を揺らした。
「宮野。」
「うえぁっ!はい・・。」
完璧、動揺した返事をしてしまった。
やっべ。怖い。
「先生が、何したいか分かるよな?」
「わかんないで・・す?」
本当はわかってた。
でも、まさか・・。
少しの沈黙の後、先生が私の顎を持ち顔を近付けてきた。
叫びたかったけど、もう遅かった。
チュ・・
初めてなのに。
でもなんだか、フアフアしてきた。
暑い。いや、熱い。
「可愛い顔してんじゃねえよ。」
ふと我に帰ると、先生は笑いながら私を床に座らせていた。
そこには、硬い先生は消えていて、普通の男の人がいた。
対面した形に座らされた私は、もう逃げる事はできなかった。
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