月の吐息 六章
日向が屋上にむかうと、またしても甘い香りが漂った。
嘘だろ?
…うわあ、いるよ…。
何故かドキドキしつつ、そうっと背後に回る。
「授業が始まりますよ…おや、貴方でしたか」
振り返った月城はニコッと笑った。
不意打ちの笑みに、日向はぎょっとして後ずさる
「まだ…あと5分ある」
「なるほど。貴方の性格から察するに、充分準備をするタイプではなさそうですしね」
「ま、まぁな」
なんで俺、こいつの隣に来ちゃってるのか?
なんなんだよ、俺!
「…どうしました」
月城はあの綺麗な…繊細な顔をいきなり日向に近づけた。
「うわっ?ちょっ…な、なんだよ」
有り得ないほどの動揺。こいつ…なんでこんなに綺麗なんだよ?
不意に、月城は両手を延ばし…まるで壊れ物であるかのように優しく…本当に優しく、日向の頬を包んだ。
な……。
目が…くらむ…。
日向は気が遠くなるのを感じながら、それでも触れている冷たい指の感触だけはハッキリと伝わっていた。
「顔が…赤い」
月城はゆっくりと屈み込む…と、日向の瞳いっぱいに月城の目が飛び込んできた。
「だっ…大丈夫!」
日向はみっともないくらい、自分が赤面していることを自覚していた。
このまま…もしも…
キス
されたら…
そのとき、チャイムが鳴った。
月城は小さく笑って、手を離し…日向の耳元で囁くと屋上から去って行った。
取り残された日向は、真っ赤になったまま、ヘタヘタとその場に座り込んでしまった。
また、屋上で。
そう囁いた月城の唇から耳へと流れた吐息が、日向に気付かせてしまった……。
俺は
あいつが…
好き……?
好き、という軽い響きではない気がする。
待て!
あいつは男だぞ?
俺、そうゆーのだけは嫌だったのに!
だが。
現実は解りやすい。
日向の体中、頭の中、全てが…月城を求めていた
嘘だろ?
…うわあ、いるよ…。
何故かドキドキしつつ、そうっと背後に回る。
「授業が始まりますよ…おや、貴方でしたか」
振り返った月城はニコッと笑った。
不意打ちの笑みに、日向はぎょっとして後ずさる
「まだ…あと5分ある」
「なるほど。貴方の性格から察するに、充分準備をするタイプではなさそうですしね」
「ま、まぁな」
なんで俺、こいつの隣に来ちゃってるのか?
なんなんだよ、俺!
「…どうしました」
月城はあの綺麗な…繊細な顔をいきなり日向に近づけた。
「うわっ?ちょっ…な、なんだよ」
有り得ないほどの動揺。こいつ…なんでこんなに綺麗なんだよ?
不意に、月城は両手を延ばし…まるで壊れ物であるかのように優しく…本当に優しく、日向の頬を包んだ。
な……。
目が…くらむ…。
日向は気が遠くなるのを感じながら、それでも触れている冷たい指の感触だけはハッキリと伝わっていた。
「顔が…赤い」
月城はゆっくりと屈み込む…と、日向の瞳いっぱいに月城の目が飛び込んできた。
「だっ…大丈夫!」
日向はみっともないくらい、自分が赤面していることを自覚していた。
このまま…もしも…
キス
されたら…
そのとき、チャイムが鳴った。
月城は小さく笑って、手を離し…日向の耳元で囁くと屋上から去って行った。
取り残された日向は、真っ赤になったまま、ヘタヘタとその場に座り込んでしまった。
また、屋上で。
そう囁いた月城の唇から耳へと流れた吐息が、日向に気付かせてしまった……。
俺は
あいつが…
好き……?
好き、という軽い響きではない気がする。
待て!
あいつは男だぞ?
俺、そうゆーのだけは嫌だったのに!
だが。
現実は解りやすい。
日向の体中、頭の中、全てが…月城を求めていた
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