SNOW DROP〜告〜
「にしても、お前よく食うな…」
まだ夕方で、しかも映画中にはしっかりポップコーンまで食べていたのに
目の前の男はハンバーガーにかぶりついている。
この細い体のどこに入るんだか不思議に思う。
『そう?俺ん家ってみんな大食いだからなぁ。』
そう言うと、なにか思い出したように続けた。
『だけど、黒崎君てホントに涙もろいよね。相変わらず…』
(ん?)
「相変わらずって…今朝会ったばっかりだろ?」
当たり前の疑問を投げかけたはずだった。
なのに…
『…あ。あはは…そう、だよね…』
ねぇ、どうしてそんなに寂しそうな顔をするの。
………。
沈黙が重い。その時、周囲から視線を感じた。
チラリと見れば、少し離れた席にいる二人の女が
こちらを見ては、なにかヒソヒソ話している。
視線の先にいるのは自分の目の前に座る男…
今まであまり考えなかったけれど、
コイツは男の俺から見ても綺麗な顔をしていると思う。
淡い栗色の猫っ毛に、吸い込まれそうな青い瞳…
なんか、女みてえ…
(…って、なに考えてんだ俺!馬鹿か!)
俺が一人で慌てている時、沈黙を破ったのは河野だった。
『黒崎君って、恋人いないの?』
「んなっ!?」
またやってしまった…いつも不意をつかれるから困る。
『黒崎君カッコイイから、モテるんじゃないかなーって。』
そう言ってニヤリと笑う。
「いねーよ。なんつーか…付き合っても続かないんだよな、俺。」
俺は何を言ってるんだろう。でも、コイツになら話してもいい気がした。
「…比べちゃいけないと思っても…やっぱり駄目なんだ…アイツじゃないと…」
ピクッと河野の肩が震える。
『それって…誰のこと?』
「わかんね。顔も名前も、男か女かも。だけど…
何度も夢に出て来るアイツに、時々会いたくてしかたなくなるんだ。」
…笑われると思った。高校生にもなって夢の話なんて馬鹿げてる。
なのに俺の目に映っのたは、今にも泣きだしそうな顔。
声をかけようとした瞬間、河野が口を開いた…
『俺も…ずっと待ってる人がいるんだ。』
まだ夕方で、しかも映画中にはしっかりポップコーンまで食べていたのに
目の前の男はハンバーガーにかぶりついている。
この細い体のどこに入るんだか不思議に思う。
『そう?俺ん家ってみんな大食いだからなぁ。』
そう言うと、なにか思い出したように続けた。
『だけど、黒崎君てホントに涙もろいよね。相変わらず…』
(ん?)
「相変わらずって…今朝会ったばっかりだろ?」
当たり前の疑問を投げかけたはずだった。
なのに…
『…あ。あはは…そう、だよね…』
ねぇ、どうしてそんなに寂しそうな顔をするの。
………。
沈黙が重い。その時、周囲から視線を感じた。
チラリと見れば、少し離れた席にいる二人の女が
こちらを見ては、なにかヒソヒソ話している。
視線の先にいるのは自分の目の前に座る男…
今まであまり考えなかったけれど、
コイツは男の俺から見ても綺麗な顔をしていると思う。
淡い栗色の猫っ毛に、吸い込まれそうな青い瞳…
なんか、女みてえ…
(…って、なに考えてんだ俺!馬鹿か!)
俺が一人で慌てている時、沈黙を破ったのは河野だった。
『黒崎君って、恋人いないの?』
「んなっ!?」
またやってしまった…いつも不意をつかれるから困る。
『黒崎君カッコイイから、モテるんじゃないかなーって。』
そう言ってニヤリと笑う。
「いねーよ。なんつーか…付き合っても続かないんだよな、俺。」
俺は何を言ってるんだろう。でも、コイツになら話してもいい気がした。
「…比べちゃいけないと思っても…やっぱり駄目なんだ…アイツじゃないと…」
ピクッと河野の肩が震える。
『それって…誰のこと?』
「わかんね。顔も名前も、男か女かも。だけど…
何度も夢に出て来るアイツに、時々会いたくてしかたなくなるんだ。」
…笑われると思った。高校生にもなって夢の話なんて馬鹿げてる。
なのに俺の目に映っのたは、今にも泣きだしそうな顔。
声をかけようとした瞬間、河野が口を開いた…
『俺も…ずっと待ってる人がいるんだ。』
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