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†愛玩人形†

[11331]  アリス  2008-07-19投稿
†始まりは甘く†
まだ日本が開戦をしていない頃、俺は少女に出会った…。

「高月、市場に行かないか?」
「そんな汚らしい場所に行けるか!」
まだ貴族がいた時代、俺は貴族の息子だった。
市場に行こうと誘ってきたのは、友人の葉檻だ…。
「高月、親友だろ?」
「ちっ…、わかった、行けば良いんだろ。」
俺は、上着を持つと馬車に乗り込んだ。
ガヤガヤ…
「ずいぶんにぎやかだな。」
「当たり前だろ、市場なんだから。」葉檻は、飽きれて言った。

「さぁ、そこのお兄さん達少女を買わないかい?今日は、目玉商品があるよ!」商人が、声を張り上げた。
「葉檻、あれは何だ?」
「あれは、親が死んで一人の少女を連れて来て売り飛ばすんだよ。」
「ふ〜ん…。」
俺は、その様子をじっと見ていた。
「さぁ、今日の目玉商品だよ!黒髪の長くて色白の美少女が手に入ったんだ!
さぁ、買っとくれ!」
現れた少女に歓声が上がった。
「凄い白肌だ。」
みんなは、口々に言った。
俺はただ、少女を見つめた。
男達は、少女を買うために金を上乗せしていっていた。
その時、禁断の想いが心をくすぐった。「八万だ…。」
男達は、後ろを振り返り、ため息をついた。
この時代じゃ、八万出せるやつは、そうそういないからだ。「お前、こちらに来い。」
その少女は、今にも泣きそうな姿をしていた。
「大丈夫だ、酷い事はしない。」
そのとたん、少女は俺のコートの袖を握った。
その様子は、愛らしく見えた。
「高月、お前、自分の慰めにするつもりか!?」
「まさか…、そんなわけないだろ。」

この日から、少女を育て始めた。
名前は、紅花と付けた…。

続く…。

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