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バレンタインデー 15

[1833]  管理人  2006-02-14投稿
まだ泣き止んでいない佳織の手を引いて、外に出た。
佳織はタオルで顔を隠していた。
「俺、部室に鞄とりにいってくるわ。
佳織のも持ってきてやるから、ここで待ってな?」
『こくり』と頷く。俺は急いで部室に鞄を取りに行き、佳織のもとへ戻った。
「待たせたな。・・・アパートかえっぞ。」
「うん・・・」
少し落ち着いたのか、もう泣いている様子は無い。・・が、目は真っ赤だ。
「あ、ちょっと待って。」
「ん?どうした?」
「吉村さん・・・・に、・・・・ね。」
そういって佳織は倉庫の中の吉村さんのところに行った。
そして、まだ腹を抱えて痛がっている吉村さんに声をかける。
「先輩!」かなり怒っているかんじだった。まぁ、無理はない。
「ゲホッゲホッ・・・・か、佳織ちゃん。ご・・・ごめ・・・・・」
半笑いで、たいして反省してもいないようすで佳織に言う。
「土下座してください。生半可な謝罪なんていらないんです!!」
昔からかなり気が強い佳織、近所のヤンキーが夜中にバイク乗り回してると
すぐ文句言いに行ったり、生徒に手を出そうとしていた先生のことを校長に話しにいったり、
不登校になった女子の事を十数人のいじめっ子に1人で問い詰めて謝罪にいかせたり・・・
とにかく、すこしぐらいのことでへこたれるやつじゃない。
いまはもう『良い主婦』ってかんじだが、佳織のおばさんも
昔は結構すごかったらしいからな。
娘にもそういう血が流れているのだろうか・・・。
『さすが・・・』と思ってみていると、先輩はすんなり土下座した。
「ほ、ほんと・・・もうゴメン、もうしないから・・・」
反省の色なんてどこにも見えないが、とりあえず吉村さんは土下座をした。
「・・・頭あげてください、先輩」少し穏やかな声で佳織は言った。
許してもらえたと思ったのか、吉村さんは頭をあげる。

※2ちゃんねる

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