妹は芸能人 3
そうしてミキが帰る頃にはすっかり日も暮れていた。
ミキは今度、時間が出来たら旅行にでも行こうと笑顔で去っていく。
僕はたまらなく切なくなった。
ミキに会えなくなるのもそうだが。
妹と二人きりになってしまい、人恋しさがすべて妹に向いてしまうからだ。
「ただいま、兄ちゃん…?あ、起きてる。」
「結(ユイ)、お疲れ様。」
僕の名前が優(ユウ)、妹の名前は結(ユイ)だった。
「珍しいね、こんな遅くまで起きてるなんて。明日は仕事?」
彼女はこんな感じで世話女房役だが、まだ高校生だ。
彼女より料理が下手な自分を恥じた。
それ以外の家事はなるべく僕がやることにしていた。
「うん、午後から…ユイ?その肩のとこ、どうした?」
彼女が不意に脱いだジャケット下から、包帯を巻いた左肩が覗いた。
「ん?ああ…うん、ちょっと、切れちゃって。」
「ちょっとって、血が滲んでんじゃんか。」
「ちょっ、と。自分でやるって……。」
「なんだよ、これ。」
刃物で切りつけた跡が生々しく残っていた。
肩の真裏まで切られていることから自分でやったわけではないとすぐに分かった。
「なんだろ…。兄(ニイ)、今日はカレーで良い?」
「良いわけないだろ…誰にやられた?」
「……誰にやられたか分からないから、なんだろって言ったの。」
妹は目に涙を溜めながら冷凍ハンバーグのパックを開けていた。
ミキは今度、時間が出来たら旅行にでも行こうと笑顔で去っていく。
僕はたまらなく切なくなった。
ミキに会えなくなるのもそうだが。
妹と二人きりになってしまい、人恋しさがすべて妹に向いてしまうからだ。
「ただいま、兄ちゃん…?あ、起きてる。」
「結(ユイ)、お疲れ様。」
僕の名前が優(ユウ)、妹の名前は結(ユイ)だった。
「珍しいね、こんな遅くまで起きてるなんて。明日は仕事?」
彼女はこんな感じで世話女房役だが、まだ高校生だ。
彼女より料理が下手な自分を恥じた。
それ以外の家事はなるべく僕がやることにしていた。
「うん、午後から…ユイ?その肩のとこ、どうした?」
彼女が不意に脱いだジャケット下から、包帯を巻いた左肩が覗いた。
「ん?ああ…うん、ちょっと、切れちゃって。」
「ちょっとって、血が滲んでんじゃんか。」
「ちょっ、と。自分でやるって……。」
「なんだよ、これ。」
刃物で切りつけた跡が生々しく残っていた。
肩の真裏まで切られていることから自分でやったわけではないとすぐに分かった。
「なんだろ…。兄(ニイ)、今日はカレーで良い?」
「良いわけないだろ…誰にやられた?」
「……誰にやられたか分からないから、なんだろって言ったの。」
妹は目に涙を溜めながら冷凍ハンバーグのパックを開けていた。
感想
感想はありません。