家族愛 29
彼は首まで布団を被って、素知らぬ顔を決め込む…
パラ… パラ…
また……
微妙だが、確かに冷気が彼女の膝に感じられた。
…布団をめくっている…?
涼子は確信した…
この子…
覗いてる…
母親なんかの下半身を……
あれほど夫婦で注意したのに…
あれほど夫婦の絆が硬いことを見せつけたのに…
息子が一体何を考えてるのか…涼子には充分理解できていた…
こんな母親とは言え、手の届かないものに切ないため息を漏らす息子を思うと、涼子は胸が締め付けられた。
最愛の息子…その切ない思いをなんとかしてやりたい…
でも、自分は母親…
「裕之…寒い…」
涼子はさり気なく呟いて、当たり障りなく注意した。
裕之はまた素知らぬ顔…
「ねっ転がらないで、ちゃんと座りなさい」
上気した息子は、座り直した。
潤んだ目が、生々しくて、涼子は目をそらした。
もしかすると、あらぬ行為に及んでいたのかも知れない…
などとあるはずもないことを妄想した涼子は、なぜか胸が高まってしまう…
この子ならしかねない…
パラ… パラ…
また……
微妙だが、確かに冷気が彼女の膝に感じられた。
…布団をめくっている…?
涼子は確信した…
この子…
覗いてる…
母親なんかの下半身を……
あれほど夫婦で注意したのに…
あれほど夫婦の絆が硬いことを見せつけたのに…
息子が一体何を考えてるのか…涼子には充分理解できていた…
こんな母親とは言え、手の届かないものに切ないため息を漏らす息子を思うと、涼子は胸が締め付けられた。
最愛の息子…その切ない思いをなんとかしてやりたい…
でも、自分は母親…
「裕之…寒い…」
涼子はさり気なく呟いて、当たり障りなく注意した。
裕之はまた素知らぬ顔…
「ねっ転がらないで、ちゃんと座りなさい」
上気した息子は、座り直した。
潤んだ目が、生々しくて、涼子は目をそらした。
もしかすると、あらぬ行為に及んでいたのかも知れない…
などとあるはずもないことを妄想した涼子は、なぜか胸が高まってしまう…
この子ならしかねない…
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