家族愛 35
母親に皮肉られて、慌てて視線をそらしたが、またすぐに涼子を眺める始末…
さすがに、夕方までこの沈黙は耐えがたい。
裕之は頬杖をついてうっとりと自分を見つめてる…
「一日中そうやって母さんを見てるつもり?」
あからさまに言われると、裕之は恥ずかしくて赤くなった。
生意気な息子もこんな表情は可愛らしかった。
思わずニコリと笑顔が漏れてしまう。
「変な子ね、まったく…」
母親の笑顔が…裕之は大好きだった。
「さ、若い子が一日中コタツに入ってちゃダメよ」
「だって、雨だし…」
「ンフ、まあそうね…」
今朝部屋干しした洗濯物…
薄手のものだけ涼子はたたみ始めた。
膝の上で手際よくたたむさまを裕之はまたねっ転がって見てる…
彼が見ているのは母親の膝…
もう涼子は何も言わなかった。
時々彼を見ると、慌てて視線をそらし、またしばらくすると見ている。そのやりとりを何度も繰り返して、何度となく目が合った。
孝行も真弓もいない二人きりの時間…
涼子は…朝にも増して胸騒ぎを覚えた…
さすがに、夕方までこの沈黙は耐えがたい。
裕之は頬杖をついてうっとりと自分を見つめてる…
「一日中そうやって母さんを見てるつもり?」
あからさまに言われると、裕之は恥ずかしくて赤くなった。
生意気な息子もこんな表情は可愛らしかった。
思わずニコリと笑顔が漏れてしまう。
「変な子ね、まったく…」
母親の笑顔が…裕之は大好きだった。
「さ、若い子が一日中コタツに入ってちゃダメよ」
「だって、雨だし…」
「ンフ、まあそうね…」
今朝部屋干しした洗濯物…
薄手のものだけ涼子はたたみ始めた。
膝の上で手際よくたたむさまを裕之はまたねっ転がって見てる…
彼が見ているのは母親の膝…
もう涼子は何も言わなかった。
時々彼を見ると、慌てて視線をそらし、またしばらくすると見ている。そのやりとりを何度も繰り返して、何度となく目が合った。
孝行も真弓もいない二人きりの時間…
涼子は…朝にも増して胸騒ぎを覚えた…
感想
感想はありません。