家族愛73
翌日…
ひと晩でも時間がたてば昨日よりマシだったが、三人が会話を弾ませる事など無理だった。
しかし、朝食の時には、少ないながらもいくつかの言葉を交わした。
九時
真弓が帰って来た。
「朝帰りか、不良娘め」
冗談に元気がない、と真弓は思った。
「何かあった?」
敏感な子だ。
「何って?何もないよ」
しらばっくれる孝行は一方で娘とのことを考えている。
同罪だ。涼子と同じことをしてるのに、自分は彼女に辛くあたった。
後悔と自己嫌悪。
孝行は娘の部屋をたずねた。
「ちょっといいか?」
改まった口調に真弓は招入れる。
真面目な表情の父をほころばせようとした。
「変なことしちゃダメだよ」
孝行は苦笑した。
「実は…」
静かだった…
裕之は寝室のベッドで天井を見つめていた。
涼子は洗濯機の渦をもう何分も見つめている…
真弓はただボンヤリとベッドの縁を眺めていた。
孝行はそんな娘を見つめている…
「信じられない…」
それしか口から出て来なかった。
ひと晩でも時間がたてば昨日よりマシだったが、三人が会話を弾ませる事など無理だった。
しかし、朝食の時には、少ないながらもいくつかの言葉を交わした。
九時
真弓が帰って来た。
「朝帰りか、不良娘め」
冗談に元気がない、と真弓は思った。
「何かあった?」
敏感な子だ。
「何って?何もないよ」
しらばっくれる孝行は一方で娘とのことを考えている。
同罪だ。涼子と同じことをしてるのに、自分は彼女に辛くあたった。
後悔と自己嫌悪。
孝行は娘の部屋をたずねた。
「ちょっといいか?」
改まった口調に真弓は招入れる。
真面目な表情の父をほころばせようとした。
「変なことしちゃダメだよ」
孝行は苦笑した。
「実は…」
静かだった…
裕之は寝室のベッドで天井を見つめていた。
涼子は洗濯機の渦をもう何分も見つめている…
真弓はただボンヤリとベッドの縁を眺めていた。
孝行はそんな娘を見つめている…
「信じられない…」
それしか口から出て来なかった。
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