待たないよ2
「…寄るな…」
「なんで?」
後ずさりをする俺にこの男はじりじりと寄ってくる
「俺はホモじゃない」
「それ理由?」
「…!」
とん。と
気がつけば壁に追いつめられていた
背中には堅いコンクリート
目の前にデカい男
やばい。
「野原ー。それ理由になってないでしょー?」
「だから…俺はそういう類じゃないから…」
「俺も違う」
「は?」
「だから、俺もホモじゃないってー」
じゃあ俺にした事は、何だ?
「俺野原が好きなんであって、別にホモって訳じゃねぇよ」
あ、今はそーか
とかなんとか言いながらこいつは笑う
「…好き?なんで…」
「なんでって言われても困るけど…」
苦笑しながら笑う彼に不思議と不快にはならなかった
でも困られても、こっちも困る
もしかして俺は
からかわれてるんだろうか?
「…って、やめろよっ!」
「痛っ」
黙々と頭の中を整理しているとまたこいつの顔が接近していた。反射神経で拒否った手は見事に顔面を直撃…
「あ、ごめん…」
「のーはーらー」
(今のは俺が悪いのか…?)
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