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恋するアナウンサー<番外編>

[1730]  吉田理  2009-05-29投稿
俺は、宏樹の腕の中からするり抜け出すとYシャツを羽織る。
「冬馬ぁ…」その上から背中ごと抱き寄せられる。
「宏樹さん!?俺、帰らないと…」
時計は、もう深夜2時を過ぎてる…明日もお仕事だ!
「いいじゃん♪お得意様と接待ゴルフの一泊旅行と言うことことで?」
「…なら、定期預金一本と言うことで…」
「?!…と、と、冬馬…君…せめて、半分、いや…三分の一で…」
「…帰ります」
「…わかった!!それなら兄貴と真樹と三人で一本と言うことで…」
「…帰ります」
「冬馬ぁ〜僕、レクサス買って、マジ今ぴーひゃらなんだけどー(泣)」
「直樹君…『宏樹の奴、養老保険の満期が来るから、とっと解約させて絶対、ウチに落としますからね♪』…て言ってました…」
「あのクソボケがぁぁ!!」
「…くすくす」
「直樹の鼻クソにくれてやるのは絶対お断りだし!!
…わかった夏のボーナスまで待ってくれ…冬馬」
宏樹がうだうだ独語を言っている間に俺はてきぱき身支度を整えた。
「帰ります」
慌てた宏樹は、俺のスーツの裾を握り掴むと…
「…三日後、書類持って局までかかってこいやぁ?」と自棄ぎみに吠えた。
「毎度、ありがとうございます?」

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