鬼畜なアイツ 2
しょっぱなから出鼻を挫かれた感じ。
俺は渋々指定された席についた…しかも、アイツの真後ろだし。
休み時間、転校生に興味津々の生徒らに囲まれて他愛ない質問に答えていく。
どっからきたの?
なんできたの?
試験うけた?
等々…ま、転校生であることの宿命だ。
すると、突然背の高い茶髪の生徒が笑って俺の肩を叩いた。
「ハイ、優輝ちゃん!俺、宮前亮二〜リョウちゃんって呼んでね」
「え?は、はあ…」
妙に馴れ馴れしいが、不思議と嫌な感じはしない
亮二は人懐こい笑みを浮かべ
「俺とリイチは優輝ちゃんのルームメートなの?これから一年間よろしくな」
「そうなの?…よ、よろしくお願いします…」
そういえば先生がそんなこと言っていたような…
「この学校あんまし人数いないからさ〜優輝ちゃんみたいなの新鮮なわけ…中学からの奴等が多いし。ま、殆ど周りは顔見知りだしさ」
なるほど…だからクラス替えばっかなのに皆仲良さげなわけか。
亮二は唐突に振り返り
大声で叫んだ。
「おい!!リイチ〜!お前もルームメートに挨拶しろよ…ったく」
…え…。
近づいてくる華奢な眼鏡男子を見て俺は絶句した
あ、アイツ…マジかよ…
リイチと呼ばれた男子は微笑しながら座ったままの俺を見下ろした。
「僕は二宮リイチ。よろしくね…桜さん」
周囲の連中がポカンとリイチを見つめる。
「…お前って本当…イミフな奴だな〜。コイツは木崎優輝、桜なんて関係ないだろ」
リイチはそっと口端をあげ、ニヤッと笑ってみせた…まるで
君にはわかるよね?
とでも言うように。
…ああ、神様、俺は…
やっぱりコイツ、嫌いです…!!
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