鬼畜なアイツ 12
寮に入って、俺は心を落ち着ける為に何回も深呼吸した。
自分の手で処理する気にはどうしてもなれない。
ウロウロ歩いて、教科書かなんかを開いたりしているうちに落ち着いてくるのに…、その度にリイチの目が、声が、指が蘇って苦しめる。
結局、俺はトイレに入って我慢しまくった結果、ベタベタに濡れてるアレを取り出した。
「…っもう、何で…」
真っ赤になって指を這わせる…いつもなら付き合ってきた女が浮かぶのに
…想像するのは、リイチの冷たい目だ。
リイチの優しい指であのまま触られていたかったのかな、などと考える自分に戸惑う。
「っは…あっ、…っ」
脳内がリイチ一色になった時、白濁した液体が自分の手のひらを汚して…俺は複雑な気持ちで片付けたあと、ベッドに寝転がった。
なんか…めっちゃ疲れた…。
まどろみながら考える。
ファーストキスやらなんやら…色々ありすぎだよ
意識が飛ぶ直前に浮かんだのは
リョウに嫉妬したリイチの寂しげな表情だった…
感想
感想はありません。