鬼畜なアイツ 13
それから1週間の間、不思議にもリイチは何もなかったように接していた。
どちらかと言えば、俺の方がおかしかったに違いない。
あのあと、リョウは俺の気分が悪くなったのかと勘違いして、やたら構ってくるし…リイチは澄まして自分の汚い机を少し広げて宿題やってるし。
なんか自己処理した後だけに恥ずかしすぎて、二人の顔がまともに見れず…俺はひたすら、リョウに「大丈夫だから」を連発していたのだ。
で、1週間たった今、リイチは相変わらずシレっとしている。
告白も、イタズラも、無論脅迫もなかったみたいに普通〜の顔をしている…ちょっと…いや、かなり癪に触る!
とか思って、授業中リイチの背中を睨むが効果があるはずもない(笑)
なんかもう、ワケわからん…とか思っていたころ
リョウが熱を出してしまった。
いつもいち早く起きて支度をすませるリョウがまだ寝ている。
「…リョウ、遅刻するよ…ねえ」
と、俺が揺すろうとした…が、異様に赤い頬を見てギョッとする。
「リイチ、リョウ、変かもしんない」
「ん?…あ、本当だ。…風邪かな。おかしいなあ、馬鹿はひかないらしいのに」
病人にえらい言い草…と多少ムッとすると、小さな声で
「…るせ、アホ…」
と聞こえた。
苦しそうに眉を寄せ、声は掠れてるし…いつもの元気さは皆無だ。
俺は慌てて医務室へ駆け込んだ。
しばし診察があって、氷枕と薬が与えられる。
インフルエンザほど高い熱じゃないらしい。
先生もホッとしたようにまた様子を見に来るから…といって去っていった
…良かった。
…ん?
ふと見ると、リイチが俺を妙な目で見ていた。
久々に、あの冷たい目で見ている。
一瞬にしてあの自慰行為を思いだし、めっちゃ赤面してしまう俺…(汗)
「な、なに?何だよ」
「…別に。もう僕いくよじゃあね、リョウ」
「冷たい奴!」
まあ確かにホームルームも終わった頃だ。
行かないと…姿を消したリイチの後を追おうとして踏み出したとき、熱い手が俺の手首を捕まえた
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