魔女【24】
翌朝。
達夫が出掛けたあと、
あたしは街に出た。
薬局で妊娠検査用品を買って、デパートのトイレで試す。
検査スティックにオシッコをかけて、
祈るような気持ちで、
5分間を待つ……。
反応は、陽性。
あたしはトイレに座り込んだ。
涙が溢れて、止まらない。
またあたし、
殺さなくちゃならない…。
もし、パパ以外の人の子供だったら…、
あたし、どんなことをしてでも、育て上げるのに…。
扉をノックされて、あたしはトイレを出た。
それから、どこをどう歩いたのかわからない。
あたしは京都駅前に来てた。
炎天下を歩いてきたせいで、頭がクラクラしてくる。
あたしは、初めて来たときのマクドナルドに入った。
カウンターでコーラを注文し、
財布を出そうとリュックを開いたとき、
携帯用のティッシュの広告が目に入った。
達夫が、橋の上で配っていたティッシュ。
席に座って、見てみるとQ2ダイヤルの広告だった。
システムは、携帯のサイトと変わらない。
電話で自分のプロフや希望を録音し、
相手の返事を待つ。
要するに、声の掲示板。
当時はまだ、携帯の出始めた時期で、
出会い系サイトどころか、メールすら普及していなかった。
あたしはマックを出ると、
電話ボックスに入った。
「あたしは、今夜泊まるところがありません。場所を提供してくれる方、メッセージ下さい」
駅構内のデパートで時間をつぶし、
一時間後、
再び公衆電話から、自分宛てのメッセージを確認する。
メッセージは、8件も入ってた。
その中で、優しそうな声のおじさんに、あたしはメッセージを返す。
10分ほど待って、確認すると、
相手の電話番号が録音されてた。
あたしは、
少し震える指で、その番号をプッシュする。
最初の呼び出し音が終わらないうちに、
男の声が聞こえた。
(はい、、佐倉です。はじめまして…)
案外、快活な話し方に、あたしはホッとした。
会話も上手。
あたしの緊張が、ほぐれていく。
達夫が出掛けたあと、
あたしは街に出た。
薬局で妊娠検査用品を買って、デパートのトイレで試す。
検査スティックにオシッコをかけて、
祈るような気持ちで、
5分間を待つ……。
反応は、陽性。
あたしはトイレに座り込んだ。
涙が溢れて、止まらない。
またあたし、
殺さなくちゃならない…。
もし、パパ以外の人の子供だったら…、
あたし、どんなことをしてでも、育て上げるのに…。
扉をノックされて、あたしはトイレを出た。
それから、どこをどう歩いたのかわからない。
あたしは京都駅前に来てた。
炎天下を歩いてきたせいで、頭がクラクラしてくる。
あたしは、初めて来たときのマクドナルドに入った。
カウンターでコーラを注文し、
財布を出そうとリュックを開いたとき、
携帯用のティッシュの広告が目に入った。
達夫が、橋の上で配っていたティッシュ。
席に座って、見てみるとQ2ダイヤルの広告だった。
システムは、携帯のサイトと変わらない。
電話で自分のプロフや希望を録音し、
相手の返事を待つ。
要するに、声の掲示板。
当時はまだ、携帯の出始めた時期で、
出会い系サイトどころか、メールすら普及していなかった。
あたしはマックを出ると、
電話ボックスに入った。
「あたしは、今夜泊まるところがありません。場所を提供してくれる方、メッセージ下さい」
駅構内のデパートで時間をつぶし、
一時間後、
再び公衆電話から、自分宛てのメッセージを確認する。
メッセージは、8件も入ってた。
その中で、優しそうな声のおじさんに、あたしはメッセージを返す。
10分ほど待って、確認すると、
相手の電話番号が録音されてた。
あたしは、
少し震える指で、その番号をプッシュする。
最初の呼び出し音が終わらないうちに、
男の声が聞こえた。
(はい、、佐倉です。はじめまして…)
案外、快活な話し方に、あたしはホッとした。
会話も上手。
あたしの緊張が、ほぐれていく。
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