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魔女【24】

[2321]  CORO  2009-08-02投稿
翌朝。

達夫が出掛けたあと、
あたしは街に出た。


薬局で妊娠検査用品を買って、デパートのトイレで試す。


検査スティックにオシッコをかけて、

祈るような気持ちで、
5分間を待つ……。


反応は、陽性。


あたしはトイレに座り込んだ。


涙が溢れて、止まらない。

またあたし、

殺さなくちゃならない…。

もし、パパ以外の人の子供だったら…、

あたし、どんなことをしてでも、育て上げるのに…。


扉をノックされて、あたしはトイレを出た。


それから、どこをどう歩いたのかわからない。


あたしは京都駅前に来てた。


炎天下を歩いてきたせいで、頭がクラクラしてくる。


あたしは、初めて来たときのマクドナルドに入った。


カウンターでコーラを注文し、
財布を出そうとリュックを開いたとき、
携帯用のティッシュの広告が目に入った。


達夫が、橋の上で配っていたティッシュ。


席に座って、見てみるとQ2ダイヤルの広告だった。


システムは、携帯のサイトと変わらない。


電話で自分のプロフや希望を録音し、

相手の返事を待つ。

要するに、声の掲示板。


当時はまだ、携帯の出始めた時期で、
出会い系サイトどころか、メールすら普及していなかった。


あたしはマックを出ると、
電話ボックスに入った。


「あたしは、今夜泊まるところがありません。場所を提供してくれる方、メッセージ下さい」


駅構内のデパートで時間をつぶし、

一時間後、
再び公衆電話から、自分宛てのメッセージを確認する。


メッセージは、8件も入ってた。


その中で、優しそうな声のおじさんに、あたしはメッセージを返す。


10分ほど待って、確認すると、
相手の電話番号が録音されてた。


あたしは、
少し震える指で、その番号をプッシュする。


最初の呼び出し音が終わらないうちに、
男の声が聞こえた。


(はい、、佐倉です。はじめまして…)

案外、快活な話し方に、あたしはホッとした。


会話も上手。

あたしの緊張が、ほぐれていく。

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