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防犯カメラの女 [九]

[3486]  多岐川 栞  2009-08-18投稿
猛のケータイが机の上で震えた!
アドレス帳に登録されてない番号だ。五回鳴って出た。…「もしもし」と志乃が言うから「先輩?」と確認した。「お支払いします」と志乃が言って「領収書をお持ちします」と返事して、「今からでいいですか」と志乃が聞いたから「明日の朝まで平気です」と答えた

表向き、非は一切、猛には無かった。
ただ、以前から関心を持っていた美人奥さん、そこまでの話しだ。
その気になればせめてどんな家庭で、どんな大学を出て…くらいの調べはつけた筈だ。一つだけ…
同じ大学の先輩には参った!…自分らの大学では男女を問わず、一日でも早く生まれていれば、絶対的先輩なのだ。
志乃の様子は放っては置けない状況でもある。
現にこのケースで、自殺をした例は一件や二件ではない。数多く見てきていた。…猛は万引きを捕まえる側であって捕まる側に立ったことはない。
いずれにしても、どうでも良かったのだ!
志乃でなければ。
ただ、潔癖症に見える志乃は、代金さえ支払えば、生きている目的の殆どを完了させた気になるのは想像に難く無かった。
客商売でそれくらいの読心術は身につけているつもりだった。
それと、この場合、旦那でも親でもない猛本人が志乃の傍を離れてはならないことも自覚していた
…かと言って、万引きを慰める筋合いは猛には無かった。

後を次長に委ね猛は領収書をポケットに、車に戻った。志乃は神妙な顔でハンドルに手をかけて無表情だった。
猛が助手席に乗り込むとハッとした顔で志乃は財布から千円札を抜き出し「申し訳ありません」と言った。
「ここでは受け取れません、先輩。誰が見てるか判りません。何処か静かな所で…」
と言うと、志乃は札を引っ込めた。
「私が運転します」
と猛が言うと、これにも志乃は素直に応じた。
志乃が、冷静な運転が出来るとも思えなかった。

「今日は…旦那さんは」
と猛が前方を見ながら聞くと、志乃は顔を覆って
「明後日には帰って来ます。出張…」と言って声を上げて泣いた。
「先輩。私スケベなんです!償って頂きます。朝まで離さないかも」と猛が言うと、志乃は、ハイと小さく答えて、
「先輩は止めて!名前で呼んで!…あなたのお名前は?」志乃が言った
微笑んだように見えた

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