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ヒトナツのコイ

[3025]  moon  2009-08-26投稿
「――――おい、今日は誰にする?」


満員電車の中。
今日も始まるゲーム。


「あのコ、可愛くね?」
「柊はどう思う?」

「え―…」

最近の俺ら4人のブーム。

“痴漢ゲーム”

標的の女見つけて、エロいことして最後までできるかどうかの賭け。
1:1。
つまり落とせたら勝ち。

「どーでもいー」

だがイマイチ乗り気じゃない。
それは、いつものことだが。

「あのコとかは?」

「………………」

俺は指差す先の女の方を見た。

長めの黒髪に、半袖ワイシャツと紺色スカートの女子高生。

顔は…。

「オレ、いっちゃおーかなぁー♪」

「待て、」


いつの間にかダチの肩を掴んでいた。


「おっ。珍しー、柊がいく?」



「…………俺がやる。」



何故か、そう口走っていた。

「久しぶりじゃね?柊がやんの」

「柊落ちなかった女いたっけ。」

「……いねー。」

「賭けになんねーじゃん。」


「………落ちない。」

俺はまた口走っていた。

落ちない。


そんな気がした。


けど。

綺麗な顔に似合う瞳に、写りたかったのかもしれない。




――――ガタン……

―――ゴトン……




俺は、彼女の背中についた。

嗅ぎなれない、香水の香り。

余りに近づきすぎで、彼女が気付くのは早かった。

「…?………っ……」

俺は、彼女が振り向くと同時、抱きしめた。


片手は、スカートの中に進む。


下着の隙間から、直接肌に触れるのは早かった。


「ッ!…………」


ビクッと、反射的に震える肩。


俺はゆっくり指を進ませる。


何度か焦らすように愛撫した。


彼女の両手は、俺の胸元に折れてワイシャツにしがみついている。


―――――なんだ、その気か。


そう思った。


「……感じてるの?」

そう聞いたが、顔をあげない。


俺は指を彼女の中に入れて、抜き差しを繰り返した。


すると少し上擦った声が、確かに耳元まで聞こえてきた。


「ぅ、ン…ッ……んっ…」


可愛い、声だった。


一瞬、体中が熱くなった。


俺はただ、只管彼女を指で犯して、甘い声を聞いていた。


そして4つ目の駅で、彼女は降りた。


まるで何事もなかったように。


綺麗な姿だった。

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