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宵待ち 〔5〕

[2845]  萬や  2009-10-27投稿
「でも…お正月に喬ちゃんから、一族の生い立ちや歴史、血というものを考えさせられて…どうしていいか判らなくなって…」と叔母は俯いた。

「そうだよ!私たち一族は快仰端無恭のどれが絶えてもならんのだ!絶やしちゃならん!せめて自分の代に!…だから、真智子ちゃんと喬くんで音無家の跡取りを作ってくれ!それが清孝君の願いでもある!…この三人だけの秘密だ!先祖の書き付けを守ろうじゃないか!」叔父の言葉には不思議と矛盾は感じなかった。

矛盾は無かったものの、抵抗はあった。
叔母には清孝という夫が居る人妻であったこと、また、なによりも叔母からは、子供の頃から年の離れた弟のように可愛がられて育ったことがあった!

「それとも、何か、二人とも互いに嫌いな感情的なものでもあるのか?ん?喬くんはどうなんだ?」
叔父の問い掛けに私は、
「!いえ!姉さんのこと、好きです!でも、姉さんがどう思うか…それに義兄さんも存命のことだし …」 私は言った。

「真智ちゃんは喬くんなこと、どう思ってるんだ?」こんどは叔父は叔母に尋ねる!
「私も!喬ちゃんは好き!弟のように可愛い!…でも…小さい頃から…」
と叔母は言い澱んだ。

「よし、決まった!それ以上は言うな!清孝くんには私から報告する!早い方がいい!妊娠するまで励んでくれ!」
叔父は話しを纏めようとする!
「叔父さま!私から主人に聞いて見ないと…」
叔母が言い、私も、
「む、昔からの一族。快仰端無恭を絶やしてはいけない。本当の従姉弟じゃない。三人の秘密。姉さんも私でいいんですね。書き付けを守る。…後は義兄さんがいいと言えば……お袋にも秘密?」
私もしどろもどろに言った。

「跡取りの当事者、この三人だけの秘密だ!お母さんにも秘密だ」
叔父はきっぱりと言った。叔父の家での話しを打ち切って家を二人で辞した
「姉さん、どこかでお茶でも飲もうか?」
私たちは国道沿いのファミレスに互いの車を止めた…。
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「ああ、叔父との話し、冷や汗が出るよ!姉さん、いいの?あんな話し!それにしても、義兄さん、本気だろうか?」
紅茶をすすり私が言った。「主人?本気と思う!喬ちゃん、抱いてくれる?」

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