まったくもう 6
「いや、だけどさ、まだ早くないか?」
そうだ。
良夜、お前は間違ってるぞ…キスのキの字も知らない僕に教わるなんて、と言いたい口から、苦しい言い訳が飛び出す。
「櫻井と付き合ってからでも遅くないだろ?」
…。
…あれ?
良夜が進化した!
トマトから唐辛子へと!!
…嘘、嘘…やだあ、この展開…まさか…。
唐辛子はほとんど涙目で呟いた。
「…ごめん、実は…昨日告って…お、オッケーもらって…」
僕は絶句した。
そんな…そんな事態になっていたなんて…。
騙されていた。
良夜に。
良夜の二次元を愛する心に…ミクたんは、ミクたんはどうしたんだ?
カムフラージュか?
僕をおいてけぼりにする為に、わざと…。
ち、ちくしょう!!
僕は混乱していた。
だから、狼狽えることなく
「なら、いいよ」
とか言った。
だってそういうしかないじゃん、とか開き直った
顔文字で言うなら
ヽ(´▽`)/
顔文字はもういいよね。
僕もそう思う。
良夜は期待している。
憧れの先輩を見つめる純な後輩の瞳だ。
僕は何だか腹が立ってきた…こうなったら破れかぶれだ!
「わかった。…実地で教える」
言うなり、僕は良夜にキスをした。
なんかもう、やけくそ的な感じで。
…ヽ(´▽`)/
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