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遠い日の唄 1

[3227]  にゃんこ  2009-12-28投稿

出逢ったのは雪がふる寒い夕方。

俺は正月を控えた自宅の意味不明な慌ただしさが嫌で、ジュースを買う名目でふらふらさ迷っていた。

大掃除が嫌で抜け出したからには、しばらく戻れない。

と、鉛色した分厚い雲からチラリチラリと雪が降りてきた。

なんてこった。

参ったな。

俺は当初の目的である自販機に近づき、ホットコーヒーを買うことにした

二百円入れて、釣りを取ろうとかがんだ時、うずくまる影に気づいてギョッと固まる。

…自販機にもたれるようにして、目を閉じている…少女、いや、少年か?

…まさかとは思うが、死んでないよな…。

恐々、白いロウのような頬に指を伸ばし…つついてみる。

と、薄くだが反応があった。
瞼がほんの少し震えた。

生きてる。
良かった…が、どうする…かなあ。

このままほっとくのは、ちょっとまずいだろ。

雪はどんどん降ってくるし…。

取り敢えず、起こすか。


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