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遠い日の唄 2

[2636]  にゃんこ  2009-12-28投稿

その少女だか少年だかは
俺が揺するとボンヤリした目で瞬きを繰り返した

「おい、大丈夫か」

問いかけに、ハッとして俺を見上げる。

「…ここは…貴方は誰ですか?」

おいおい(´Д`)
大丈夫か、こいつ。

「俺は…通りすがりだけどな、こんなとこで寝てたら死ぬぞ」

それはシャレじゃない。
ふわふわしていた雪は今やかなりの勢いだ。
で、声からするとコイツは男の子らしい。

…ちっ(笑)

「起こして貰えますか」

消えてしまいそうなくらい華奢な指を、俺に伸ばしてくる。

思わず掴んで引き起こし…氷のような指の冷たさとその羽なみの軽さに驚いた。

少年は、ふらつきながらも立ち、ペコッと頭を下げニコリと笑った。

「ありがとうございます僕、なんか寝ちゃって」

めちゃくちゃ可愛い顔をしてるが、発言はかなり飛んでいる。

寝ちゃってって…。

「あ、大丈夫ですから。気にしないで」

透き通る茶色の瞳が雪に気づいて見開かれた。

「雪だ…綺麗だなあ」

「ん、まあな」

俺と身長変わらないくらいなのに、なぜか小さく映る。
華奢さがそう感じさせるのか…。

「これ、やるよ」

さっき買ったコーヒーを持たせてやる。
いたいけな猫みたいで捨て置くのが忍びない。

「…ありがと」

ぎゅっと握りしめるコーヒーの缶の熱が彼を暖めてくれるといい。

俺は何となく後ろ髪引かれながら、じゃ、と背を向けた。

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