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遠い日の唄 3

[2838]  にゃんこ  2009-12-28投稿

…。

………。

なんか、視線を感じる。

振り返ると、やたら寂しそうな顔した少年が見つめていた。

まさに捨て猫。

ぶかぶかのダッフルコートが妙に侘しさに拍車をかけている。

…だあ〜もう!!

俺はツカツカと来た道を戻った。

ほんの少し戸惑った少年は、あの、とか呟いている。

「行くとこあんの?」

だんまり。

それが全てを物語る。
俯いた目が僅にうるんでいて、微かに胸が痛んだ

「…少し、付き合う?」

「えっ」

警戒してんかな?
とか思ったら、次の瞬間少年はそれはそれは可愛いらしい笑顔を見せた。

「はいっ!」

…どうしようかなあ…。

自宅は論外。

カラオケルームなら暖かいし金もかからないか。

と、いうわけで俺は大層可愛い少年となぜか連れだって歩き始めた。

「あの、僕、藤堂ユウです…カタカナで」

「俺は佐川鋼。ハガネなんて変な名前だよな」

自己紹介終了。

さて、何を話すか…。

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